第三百七十六話 清廉な心その八
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「つまりは」
「そうですか」
「俺よりもな」
「むしろ城戸さんのお心が若い」
先生はこう捉えた。
「そうでしょうか」
「俺馬鹿だって思うけれどな」
「お若いとはですか」
「ガキとかじゃないよな」
「誰かの為に何時でも真剣に思えて動ける」
そうしたことが出来るというのだ。
「そうした方でしょうか」
「俺ってそんな奴かな」
「そうだな、お前は確かに馬鹿だが」
秋山が最も言うことである、城戸がそうだと。
「しかし誰かの為にか」
「真剣にかよ」
「何時でもな、動ける奴だ」
「そうなんだな」
「まあ神輿の取材に行って自分も神輿担いでるな」
北岡は城戸の性格をこう表現した。
「そうした奴だな」
「それが俺か」
「お前どんな奴でも助けようってするしな」
「アンジュちゃん達の世界でのことか?」
「あの娘達必死に助けようとしたよな」
シルヴィアやアキホ達をというのだ。
「そうだったな」
「助けるの当然だろ」
城戸は北岡に迷わず答えた。
「それは」
「いや、あの娘達のやったことを思うとな」
それこそとだ、北岡は言うのだった。
「誰もしないだろ、実際にな」
「お前等もかよ」
「俺は助けるつもりはなかったさ」
「俺あの時ヒルダちゃんの母親にアップルパイ出すつもりだったんだよ」
芝浦も言ってきた。
「あの人がゴ=ジャラジ=ダに針埋め込まれた時にな」
「死にそうな時にかよ」
「おやつにってな」
「あの人がヒルダちゃんにアップルパイ投げつけたからか」
「俺は確かに性格悪いけれどな」
芝浦は自分の性格をはっきりと認めた。
「けれどなんだよ」
「あの人みたいなことはしないっていうんだな」
「そんなことはしないからさ」
それでというのだ。
「流石に許せないと思ってな」
「あの世界でずっとあの人に絡んでたんだな」
「嫌味言ってな」
それもネチネチとだ。
「そうしてたんだよ」
「それでアップルパイもか」
「おやつに出そうと思ったけれどな」
「出さなかったよな」
「何かタイミングなくてさ」
アップルパイを出すそれをというのだ。
「それでなんだよ」
「じゃあ出すつもりはか」
「あったんだよ」
実際にというのだ。
「俺でもあんなことしないからさ」
「許せなくてか」
「ネチネチ嫌味言って止めにでもな」
アップルパイを何気ない顔で出してというのだ。
「やってやろうって思ったんだよ」
「お前それはな」
「最低だって言いたいだろ」
「ああ、幾ら何でも酷いだろ」
「酷くてもあの人はもっと酷かっただろ」
ヒルダの母親はというのだ。
「したことは」
「それでもよ」
「したら駄目だって言うよな」
「そうだよ、だから幾ら何でもな」
「俺も止め
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