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レーヴァティン
第百十五話 半島の後からその十
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「おいら達から見たら何でもないよ」
「そうだよな」
「ただ、遊牧民でね」
 それでと言うのだった、淳二は今度は。
「いつも馬に乗っていて精悍で俊敏だから」
「機動力があるんだな」
「だから歩兵が主力のカルタゴは苦戦していたんだよ」
「そういうことか」
「だからね、おいら達はね」
 自分達はとだ、淳二は久志に話した。
「数は少ないけれど強い相手だってことをね」
「念頭に入れてか」
「ヌミディアと戦おうね」
「そうするか、じゃあな」
「うん、出陣だね」
「留守には三万の兵とな」
 それにと言うのだった。
「清音を置くか」
「それで私は政にあたるのね」
「そうしてくれよ、あとカルタゴの水軍も入ったからな」
 久志は今度はこちらの話をした。
「そっちは芳直に頼むな」
「わかった、では提督達と共にだ」
 芳直は久志の言葉を聞いてすぐに述べた。
「水軍船体を使って南岸の沿岸部をカルタゴ周辺からな」
「攻めていってくれるな」
「そして領有していく」
「頼むな、海兵隊もいるしな」
 船上それに上陸しての戦いを担当する彼等がというのだ。
「だからな」
「制圧していくな」
「頼むな、それで南岸とそこの三百万の人口を手に入れてな」
「そしてだな」
「そこから東の古王国攻めるな」
「そうしていくな、その為にもな」
「まずはヌミディアだな」
「七万の兵を率いて倒すな」
 こう言ってだった、久志は実際にカルタゴには三万の兵を置き清音に統治を任せ水軍は芳直に委ねてだった。
 自身は七万の兵とカルタゴ歩兵部隊の主力を率いてヌミディアの方に向かった、ここでカルタゴ人の士官達が彼に話した。
「ヌミディアにはお気をつけを」
「あの者達はとかく俊敏です」
「そして弓を使うことに長け」
「近寄ると素早く間合いを取ってきます」
 馬の機動力を使ってというのだ。
「そして遠間から矢を放ってきます」
「それが随分と強いので」
「我等も敵わないのです」
「弓騎兵か、それはな」
 久志のその話を聞いて述べた。
「確かに強いな」
「我等も鉄砲を使いますが」
「奴等の矢は鉄砲より遠くに届きます」
「奴等もそれを観極めて攻めてきます」
「そして夜には夜襲を仕掛けてきます」
「突撃の時の槍や刀も強いです」
「夜襲も得意か、本当に厄介な連中なんだな」
 久志もこのことを強く認識した。
 そしてだ、久志はカルタゴ人の士官達に言った。
「迂闊に戦う訳にはいかないな」
「左様です」
「くれぐれもご注意を」
「術を使う者は殆どいないですが」
「ああ、術を使う奴がいないならな」
 その話にだ、久志は笑って話した。
「そこだな」
「そういえば護民官の軍には術を使う者も多いですね」
「他の軍に比べて」

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