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レーヴァティン
第百十五話 半島の後からその八
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「半島全体をだ」
「使っていくといいな」
「戦は十万以上の兵を動かすとなるとな」
「一つの都市じゃ賄いきれないな」
「だからな」
「ああ、カルタゴを拠点としてな」
 そのうえでとだ、久志は応えた。
「半島全体の力を使って戦おうな」
「そうしていくか」
「ではな」
「今からだな」
「カルタゴに向かうか」
「船を出してな」
 こう話してだった、久志は夕子を守りに残してそのうえで十万の兵と共にカルタゴに向かった。そしてだった。
 無論物資も多く送った、そしてカルタゴにおいてだった。
 湊の倉庫を満たす兵糧や物資を見てだ、久志は腕を組んで言った。
「十万の分となるとな」
「多いわね」
 横にいる清音も言った。
「流石に」
「ああ、それでもだよな」
「これだけないとね」
「十万の兵を食わせて動けないか」
「そうよ、それで足りない分はね」
「ローマからだよな」
「ここに運ばれてくるから」
 これからもというのだ。
「そしてローマだけじゃなくて」
「半島の港全体からもな」
「運ばれてくるわ」
「まさに総力戦だな」
「それが戦でしょ」
 その国力を出来る限り使ってというのだ。
「だからね」
「半島の力を使うか」
「そう、そしてね」
「勝つものだな」
「そうよ、そして私達にとって大きいのは」
「最初にこのカルタゴが手に入ったことだよ」
 まさにとだ、久志は清音に言った。
「一戦も交えずにな」
「これだけ豊かで大きな街がね」
「正直カルタゴと戦うことになれば」
 その時はとだ、久志は深刻な顔で述べた。
「俺達もな」
「いきなり激しい攻城戦になって」
「攻め落としてもな」
「大砲や術を使ってもね」
 半島での戦の時と同じだ、このことは。
 だがそれでカルタゴを攻め落としてもというのだ。
「私達の軍勢も街も傷付いて」
「時間も物資も金も費やしてか」
「そう、かなりのロスになっていたわ」
「それだけでな」
「だからカルタゴが無傷でついてくれて」
 自分達にというのだ。
「本当によかったわ」
「そうだよな、じゃあな」
「まずはね」
「この街との約束通りにな」
 こちらの勢力に入る時にしたそれの通りにというのだ。
「街にちょっかいかけるヌミディアを何とかするか」
「これからね」
「じゃあ軍や物資が整ってからな」
「ヌミディアとの戦いね」
「最初に使者を送るがな」
 それでもその使者が出した条件を断ればというのだ。
「断られるとな」
「戦ね」
「そうするな、じゃあ戦の用意もするか」
 久志はこう言って清音と共にカルタゴの役所に入った、そしてそこで南岸の地図を開いて仲間達と共にそれを観つつだった。
 そのうえでだ、彼は仲間達に言った。
「ヌミディアの
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