第三百七十六話 清廉な心その三
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「あんたこれまで辛いことがあったな」
「それは」
「戦ってきたんだな」
「私自身は戦っていないですが」
それでもとだ、女性は秋山に答えた。
「見てきました」
「辛い戦いをな」
「そうしてきました」
「そしてあんたも辛かったな」
「あの娘達に比べれば」
「いや、あんたも辛かった」
秋山は女性から感じられるものについてさらに言った。
「それがわかるからな」
「だからですか」
「我慢しなくていい、そしてか」
「はい、私達の世界にです」
女性は用意された席に座ったうえでさらに話した。
「突然等の怪物が多く出て来て」
「何回か戦ったんですよね」
城戸は女性を気遣って丁寧な口調で尋ねた。
「そうだったんですね」
「はい、あの娘達が戦って」
そしてというのだ。
「先程神が出て来ました」
「スサノオですね」
「そう名乗っていました、それで」
「あっ、詳しい話は」
北岡は女性の話をここで一旦遮った、そのうえで言うのだった。
「今から他の連中呼びますんで」
「仮面ライダーですね」
「そうです、俺達実は三人共そうでして」
北岡は自分の席から女性に話した。
「他にもいまして」
「その人達をですね」
「今から呼びますから」
それでというのだ。
「詳しいことはそのうえでお話してくれますか」
「それでは」
女性も北岡のその提案に頷いた。
「そうさせてもらいます」
「それじゃあ」
「すぐに皆さんに連絡します」
由良が自分のスマホを出して北岡に言ってきた。
「今から」
「ああ、頼める?」
「はい、メールを送ります」
「それじゃあね。まあとにかく」
北岡は由良とのやり取りの後で女性に顔を向けて彼女に言った。
「詳しいお話はです」
「あらためてですね」
「お願いします」
こうしてだった、すぐに他のライダー達に連絡が行き彼等は北岡の事務所に集まった。そうしてだった。
ライダー達全員でその話を聞いた、ここで先生の名前もわかった。
「安芸さんだね」
「はい」
女性は芝浦の問いに答えた。
「元々教師で」
「それで、なんだね」
「復帰しまして」
それでというのだ。
「今はです」
「先生としてだね」
「子供達を教えています」
「そうなんだね、ただ」
ここでだ、こうも言った芝浦だった。
「あんた神官さんだった時は」
「その時のことはですか」
「随分色々あったんだね」
「それは」
「ああ、言わなくていいから」
このことは笑ってだ、芝浦は先生に話した。
「そのことは」
「そうですか」
「わかるからね、俺も」
このことは秋山と同じだった。
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