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レーヴァティン
第百十五話 半島の後からその五

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「それでいいしな、水軍はこっちに入れさせてもらってな」
「農業や商業はどんどんやってもらって」
「豊かになってもらってな」
 久志はさらに言った。
「税納めてくれたらな」
「それでいいわね」
「だからな」
「あちらについては」
「ああ、人をやってな」
「そのうえでこっちに入ってもらうわね」
「カルタゴとはまずはな」
 これまでしてきた様にというのだ。
「人をやってな」
「こっちに入る様に言うわね」
「そうなれば南岸にかなりの足掛かりを築けてな」
「しかもカルタゴという一大都市が手に入るわ」
「無傷でな、じゃあ使者を送るな」
 こう言ってだった、久志は早速美奈代に顔を向けて彼女に言った。
「行ってくれるか?」
「商売人には商売人やな」
「ああ、お前が一番交渉上手だしな」
「それでやな」
「カルタゴをな」
 この街をというのだ、今話をしている。
「こっちに入れてくれるか」
「わかったで」
 笑顔でだ、美奈代は久志に答えた。
「ほなすぐにカルタゴに行くわ」
「頼むぜ」
「カルタゴまで湖やとすぐや」
「ローマから三日か」
「そやから行き来に六日位かかってな」
 そしてというのだ。
「交渉次第やけど」
「すぐに話が整うよな」
「ああ、ただうちの勘では」
 美奈代は久志にこうも言った。
「カルタゴはうち等とは戦わんわ」
「大人しく降ってくれるか」
「そうなるな、そやからな」
「俺達の考え通りにか」
「カルタゴは降るわ、それでこっちに入る条件は」
「ああ、水軍をそのままこっちに渡してくれてな」
「こっちの勢力に入ることか」
「自治は認めるしな」
 このことは他の街や村と同じだ、久志達は統治しているとはいえそれぞれの街や村の自治も認めているのだ。
「商業や農業もな」
「制限なしやな」
「信仰もな」
「認めるな」
「文化もな、おかしいものでないとな」
 それこそ生贄や何かしらの不潔な習慣つまり悪習と言われるものでなければというのだ。
「いいってことでな」
「うち等にやな」
「来てもらうぜ」
「それがこっちが出す条件やな」
「悪い条件じゃないだろ」
「かなり寛大やろ」
 実際にとだ、美奈代も言った。
「それ位やとな」
「そうだよな」
「別に潰すつもりもないしな」
「こっちもな」
「というかカルタゴ自体もな」
「欲しいしな、市民もな」
 彼等もというのだ。
「組み入れたいしな」
「そうやしな」
「それに宗教の違いとかな」
「うち等気にせんしな」
「全くな」
「信仰は自由でござる」
 進太も言ってきた。
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