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レーヴァティン
第百十五話 半島の後からその四

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「どうも」
「ああ、けれどな」
「それでもですね」
「その三百万とな」
「古王国をですね」
「両方手に入れるか」
 そこにある領土と民をというのだ。
「そうするか」
「まずはそちらですか」
「ああ、とりあえず騎士団と王国は後回しだ」
 この強大な二国はというのだ。
「強い相手とは今はな」
「戦わない、ですね」
「あえてそうしてな」
 そのうえでというのだ。
「他の勢力を併呑していくか」
「それでは」
「水軍を用意しようぜ」
 久志は源三と話してから一同に行った。
「そしてな」
「まずはマルタ島からね」
「南の対岸に行こうな、ただな」
「問題は何処に入るかよね」
 南の対岸といってもとだ、双葉は久志に話した。
「問題は」
「そうだよな、何処がいいかだな」
「それならね」
 腕を組み考えつつ言う久志にだ、双葉はこう言った。
「一ついい場所があるわよ」
「上陸するにか」
「カルタゴよ」
「カルタゴ、南岸の中で一番大きな街だよな」
「そう、あの辺りは乾燥地帯が多いけれど」
「あの辺りは農業も盛んだよな」
「そして商業も盛んだし」
 それでというのだ。
「手に入れたらね」
「浮島南岸部の併合に大きいな」
「最初にして最大の一歩になるよ」
「だからだな」
「そう、南岸に進出するなら」
「まずはか」
「カルタゴがいいわよ」
 こう久志に言うのだった。
「それならね」
「そうか、あそこか」
「ただ。戦うには」
 カルタゴに進出するといってもとだ、双葉は久志にあらためて話した。
「あそこは強いわよ」
「強い水軍を持ってるよな」
「うち並のね、しかもね」
「陸の方もそこそこだったな」
「商業で栄えててお金もあってね」
「強い傭兵も雇っててな」
「街の城壁も堅固で魔法にまで備えてるのが三重よ」
 カルタゴの守りの話もするのだった。
「だからね」
「そう簡単には勝てない相手だよな」
「そう、だから戦うことはね」
「止めた方がいいか」
「ただあそこは野心がないから」
 双葉は久志にカルタゴのこのことも話した。
「だからな」
「ああ、それじゃあな」
「戦わずに済ませられるわね」
「あちらの権益を保証してな」
 そうしてというのだ。
「それでな」
「組み入れるわね」
「ああ、俺達はな」
「別に敵はね」
「いてもな」
「滅ぼすだけではないからね」
「ああ、組み入れられるならな」
 戦わずにというのだ。
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