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金色に輝く女
第五章
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「衣吹ちゃんってやっぱり」
「だから言ってるでしょ、毛深いの」
「そうなのね」
「お口だってちょっと油断したら」
「あっ、お鬚ね」
「うっすらと出るから」
 髭がというのだ。
「産毛がね」
「それじゃあ口元にもなのね」
「クリーム塗らないとね」
「これまでは剃ってたけれど」
「ええ、それもね」
「大変ね、まあ私もね」
 由香も由香で言うのだった。
「前お話した通りね」
「体臭なのね」
「それが気になるから」
「あっ、由香ちゃん今もいい香りするけれど」
「シャワー浴びて来たから」 
 衣吹の家に来る前にというのだ。
「そうしてきたのよ」
「大変ね」
「それで来てるから、それで夜もね」
「シャワー浴びるのね」
「お風呂よ、夜は」
「お風呂なの」
「シャワーは流すだけだけれどお風呂は汗をかいて」
 そうしてというのだ。
「匂いの素が出るから」
「いいのね」
「だから夜はね」
「お風呂入ってるのね」
「それで香水も付けてるから」
「由香ちゃんの方が大変かもね」
「一緒位じゃない?とにかく身だしなみはね」
 これを整えることはとだ、また言うのだった。
「大変よね」
「それはそうよね」
「何かと大変で」
「困るわよね」
「本当にね」
 そうしたことを話してだった。
 二人は麦茶を飲んで水羊羹を食べてゲームをしようと思ったが由香はここでまた衣吹に言った。
「太ることもね」
「そのことね」
「水羊羹はあまり糖分ないわよね」
「和菓子系はね」
「じゃあ安心ね、けれど甘いものもね」
「食べ過ぎない様にしないとね」
「太るのも駄目だし」
 こう衣吹に言うのだった。
「大変よね」
「私ね」
 衣吹はここで困った顔になって由香に返した。
「この顔でスタイルでしょ」
「太ってるとか言われる?」
「脂肪率は普通なのに」
 女の子の標準だというのだ。
「ちょっと太るとね」
「言われるのね」
「太ったってね」
「今で言われないぎりぎりで」
「ちょっと太ると」
 そうなればというのだ。
「言われるのよね」
「それも難儀なことよね」
「かなりね、だからね」
「気をつけてるのね」
「部活文芸部だけれど」
 尚由香は吹奏楽部だ、二人共部活動には熱心である。
「それでもね」
「気をつけないとっていうのね」
「そう思うし」
「じゃあ歩くことよ」
「散歩ね」
「歩くとそれだけで運動になるから」
 それでというのだ。
「いいわよ」
「そうね、じゃあね」
「歩くこともね」
「やってみるわ」
 そうした話をしてだ、衣吹はもう水羊羹は食べなかった。そうして入浴の時にその夜母が買ってきてくれた脱毛クリームを塗ってだった。毛を処理して。
 母や姉も誘って散
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