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ありふれた職業で世界堪能 2
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「カレー粉でどうにもならないとは、やばい肉だな」

カレー風味の豆を挽いて作ったカレー粉らしき物をふりかけて焼いた肉を食べる。最初の一回はめちゃくちゃ苦しんだが、その後は胃酸強化とちょっとしたおまじないでなんとかなった。

「それでも、そのままよりは食べやすいよ」

「ステータスも上がるから我慢するしかない。技能も大分増えてきて、これならオレも戦えるはずだ」

白崎とハジメも我慢しながら肉を食べている。生き残る為の力をつける行為なんだと割り切っている。その後は儂の作った野菜で口直しをしている。とはいえ、強引に作っている物だから味は落ちている。

「義手の方は良いのか?」

「大雑把な動作なら問題ない。卵を割らずにつまめるかどうかはわからないが、そういう力加減が怪しいだけだ。それに良い材料が手に入ったからな」

そう言って自分の背嚢から映画などで見るものよりも大型の銃を取り出す。

「使えるのか?」

「一応は。あとは連携中に当てれるかどうかだけど、こればっかりは練習するしかない」

「使えそうなら猟銃を作ってくれ。将来必要になるかもしれないからな」

「必要?」

「害獣駆除も農家の仕事だ」

今でも罠は仕掛けているんだがな。

「ぶれないな、徹は」

「簡単にぶれるうちは餓鬼だ。全くぶれないやつは老害だ。変化に柔軟に対応せねばな。こっちでは銃刀法違反などないのだ。練習し放題だな。問題は試験勉強ができないことか」

そう言って笑ってやれば、やれやれという風に首を振ってから多少笑みを零す。よしよし、笑えるうちは精神は大丈夫だ。儂は多少禁断症状が出そうになっている。ぶっちゃけ畑を耕したい。土いじりをしたい。戦闘用の豆の作成は飽きてきた。今ならちゃんとした仙豆が作れそうなんだ。

ハジメも銃を扱うようになり探索の速度は上がった。銃弾の補給や錬成に使えそうな素材の採取のために結果的にはトントンと言ったところだが余裕が出てきたのは幸いだ。そんな風にハジメと合流して1ヶ月ちょいと思われる頃、禁断症状に苦しめられながら変わった部屋を見つけた。気温、湿度、床を一部耕して触れた土の温度、栄養状態、どれもが仙豆やその他もろもろを作るには最高だ!!

そんな最高の気分は上から降ってきたデカイ蠍によって急降下した。天井の一部を破壊したことで気温や湿度が変化したのはまあいい。だが、その尻尾から吹き出した毒液が土壌を汚染した。

「巫山戯んな、蠍ごときが土壌を汚染してんじゃねえ!!」

正面から突っ込み、鋏を飛んで躱して胴体に飛び乗り、尻尾の突き刺しを中華鍋で反らし、尻尾の根元に鋤を叩き込んで切り落とす。

「自分の毒で死ねぃ!!」

切り落とした尻尾を掴んで先端を胴体の甲殻と甲殻の隙間に叩き込
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