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狼であることを忘れて
第三章

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「かろうじて治安等は警察が担当出来ていますが」
「最低限やな」
「そうです、ですから」
「行方不明の人の捜索とかは」
「ギルドに依頼しています」
「それでやな」
「私達のとなったのでしょう」
 こうゴーディマーに話した。
「この度は」
「そういうことやな」
「はい、ですから」
「お巡りさんもやな」
「彼女にアドバイスしたのでしょう」
「そういうことやな」
「ではです」
 カマンダはここまで話して少女に顔を戻しあらためて彼女に述べた。
「この度はです」
「彼を探してくれますか」
「必ず。それで彼の職業は」
「商人でして」
「商人ですか」
「このキンシャサで本屋をしています、趣味はボクシングで」
 少女は婚約者の趣味の話もした。
「学生時代は大会で優勝したこともあります」
「ではお強いのですね」
「今も現役です」
「本屋をしつつですか」
「頑張っています」
「ではかなりお強いですね」
「少なくともボクシングでは」
 この格闘技においてはというのだ。
「かなりです」
「そうですか、ほなです」
「そうしたことからもですか」
「探させて頂きます」
「宜しくお願いします」
 こうしてだった、カマンダはこの依頼を受けてゴーディマーと共に捜索をはじめた。するとカマンダはすぐにだった。
 いつもの気取ったファッションと仕草でキンシャサの街を歩きつつだった、捜査を開始した。その彼を見てだった。
 共にいるゴーディマーは首を傾げさせて彼に尋ねた。
「そのファッションと仕草はやな」
「何時でもです」
 カマンダもこう返す。
「崩しません」
「サプールとしてやな」
「はい」
 まさにというのだ。
「このスタイルは絶対です、そして」
「これからやな」
「娘さんの婚約者の方を探していきましょう」
「そうするんやな」
「既に私達は有力な手掛かりを幾つも得ています」
 笑ってだ、カマンダは言うのだった。
「まず種族のことです」
「ワーウルフやな」
「昼は人間の姿ですが夜には狼人の姿になる」
「独特の種族やな」
 この世界に多くある種族の中でもとだ、ゴーディマーも述べた。
「ほんまに」
「はい、捜査の手掛かりとしてです」
「かなり大きいな」
「そして職業は商人」
 カマンダはこのことも指摘した。
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