暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第18話 不安とデバイスと
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 遠くで、膝をつき、天を仰いでる人がいる。

「ぁあああぁぁあぁ!!!」

 またこの夢かと、直ぐに気づく。何度目になるかわからないこの夢を。弱くて何も知らなかった頃の私を。

 豪雨の降り注ぐ森林の中で、むせ返るほどの血と、強い土の匂いがあたりに漂う。
 
 周囲には沢山の人――いいえ、人だったものが倒れてる。

 その中で、私は女性を抱きかかえて泣いている。大きな声で泣いてる私から視線をずらせば、そこには名前はわからないけれど、見知った皆さんが倒れている。

 苦痛に歪んだ顔をしていれば、私のせいで、と納得できるのに。皆の顔を見ると、ただ安堵の表情を浮かべている。

 絶命する直前、間違いなく激痛が、苦痛が襲ったはずなのに、この方々は何故――?

 一年前、皆さんが何度も何度も裏を取って、確認して、調べ上げたスカリエッティの戦闘機人のプラント。皆さんだけの情報では心もとない。ならば今は亡き、「本局特殊部隊第13艦隊」の最後の情報をベースに調査した結果。プラントだとか確証を得た。

 そして、沢山の下準備を施し、作戦決行。プラントがあった土地は、木々に覆われ、皆さん曰く御誂え向きの場所だと笑っていた。

 皆さん――本当は名前を教えてもらいたかった。名前で皆さんを呼びたかった。

 だけど、皆さんは決まって口をそろえてこう言う。

 私たちはもういない人だから、呼んじゃだめだよ――と。

 曰く、裏に生きてるから名前は捨てた、と。曰く、死んでも何も残しちゃいけないんだ、と。

 この時、酷く悲しくなって、泣いた思い出がある。思えばこの頃の私はよく泣いていた気がする。誰かがケガして帰ってきたときも、喧嘩した訳ではないが、言い争ってるのを見た時も、泣いていた。
 そのたびに皆さんがそばにいた。勝手に泣いている私が悪いのに。

 その頃の私は、拾われて(・・・・)まだ、1年目だった。私が評価されたのは、同時に情報を処理できること、それを送ることが出来るということ。それを買われて、隊長からも評価を受けて、皆さんの任務に同行することとなった。

 初めて……というわけではない。後方部隊で、いろいろ支援を行ったりしていた。誰かに教わったわけではないけど、自然と武器を取って戦うことが出来た。剣を銃を使って戦闘出来た。皆さんにどうやって覚えたのと聞かれれたけれど、私もわからない。だけど、体が自然と動く。覚えてると、そう伝えた時には皆さんすごく驚いていた。

 そうして、隊長(・・)が私を連れてきたときに、私が持っていたアームドデバイスを改良。AIをつけて最適化した2つのデバイス。「ギルガメッシュ」「アークジャベリン」の2つを頂いた。マスターと呼んでくれるこの2つ……いえ、この子達を見て、凄く
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