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仗助にもしも双子の姉がいたら?ネタ
お試し短編
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 青いバラの花の花言葉を知っているだろうか?

 自然に存在しないバラの花であったため、その昔は、『不可能』、『あり得ない』など、あまり良い意味を持たなかった。

 しかし、遺伝子操作により青いバラの花が生まれると、後付けとして、『神の祝福』、『奇跡』、『夢叶う』などの言葉を賜った。

 東北にある、とある町、杜王町では、その青いバラの花が見られることが希にある。

 しかし、それは、決して誰かが植えて育てたわけじゃない。

 ふわりっと、どこからともなく、血のように赤い茎と共に落ちてきたなら、それに触ってはいけない。

 奇跡とは決して平等ではない。

 ……なにを言っているのか分からないと思うであろうが、杜王町に咲くその青いバラは、どんな青いバラの花よりも鮮やかに青く、そして鮮血のような茎と持つ。そして、どこから生えてきたのか分からない。

 そう……知らなかったのだ。花を咲かせていた本人でさえも。

 1999年、その花を咲かせていた人物が誰であるのかが分かる。

 花を咲かせていたのは、イギリス系アメリカ人の血を…、そして星の痣を色濃く受け継ぐ、ひとりの娘。

 東方の家に生まれた、その娘は、双子の弟として、仗助がいた。

 二人には、不思議な力が備わっていた。それは、4歳の時に後天的に手に入った望まぬ力。仗助は危うくその力に殺されかけた。だが姉である娘は死ななかった。

 だが間違っても、娘の方に力が無かったわけではない。それは意志の強さが少しだけ心優しい弟を上回っただけのことだった。

 それゆえに、弟と違って、姉である娘は自分の力に気づくことが出来なかった。教えてくれる相手がいなかったのもあるし、なにより力の性質が仗助のものとはまるで違ったためだった。

 スタンドと呼ばれる力。娘の意志を無視して勝手に動き、そして、“あらゆる生命から、寿命を奪い青いバラにする”力。

 杜王町中に、鮮血のような赤い根を張り巡らせ、本体である娘から決して生えず、周りの無機物から生えては、生命を傷つけ種を植え付け、青いバラの花を咲かせ、青いバラは1年分の寿命として収穫される。

 収穫された花は、触れた者に奪い取った寿命を与えて消える。それは生にしがみつく者が誰もが夢見たであろう、寿命の超過。

 そして…、花言葉にちなんだような、神のごとき奇跡をたった1度だけもたらす。

 それは、あらゆる事情から起こるであろう、死を、無かったことにすることだ。

 だが、ここで注意して欲しい。

 青いバラとして収穫される寿命の量は、わずか1年分のみであること。そのため、いかに残りの寿命が本来なら残っていても、死を無かったことにされれば、どうあが
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