第六章
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ぶつ切りにした鶏肉を玉葱や塩や黄色の唐辛子と一緒に煮込んだシチューであるサフタ＝デ＝ポーヨに香辛料で味付けした子羊のオープン焼きであるエルデーロ＝アル＝オルノに牛肉を玉葱やトマトやパセリと共に煮込んだ濃厚なシチューであるビカンテに牛肉をパン粉をまぶしてフライにしたシルパンチョ＝コチャバンビーノに子豚のオープン焼きであるレチョン＝アル＝オルノに地元の果物の盛り合わせにだった。サトウキビを熟成させた酒であるビスコも頼み乾杯し飲み食いを始めた。その中で。
セスペデスの手にあるものが宿った、それは何かというと。
「ナワルの石やな」
「その七色に輝く石がですか」
モンテロッソはその丸い人の手に入る位の大きさのそれを見て述べた、言いつつ子羊の肉を楽しんでいる。心の中の言葉は彼にその神具のことを教えていて彼はモンテロッソに話した。
「セスペデスの新しい神具ですか」
「そや、持ってるとな」
それでというのだ。
「政治力が上がって術の威力もな」
「上がるんやな」
「特に妖術のそれがな」
上がるとだ、セスペデスはビスコを飲みつつ答えた、ビスコは冷たいフルーツジュースと割りながら飲んでいる。
「強くなったわ」
「それは何よりですね」
「ほんまにな」
肉を食べつつの返事だった。
「有り難いわ、けどな」
「それでもですね」
「僕等の目的は神託を適えることか」
セスペデスは今度はビカンテを食べつつモンテロッソに尋ねた。
「それで終りか」
「答え言ってええですか？」
モンテロッソはセスベデスに笑って返した。
「そこは」
「愚問やったか」
「お言葉ですが」
「ははは、その通りや」
セスベデスはモンテロッソに明るく笑って返した、ザリガニのその顔がほころんでいる。
「そやからな」
「ええですか」
「言いたいことはわかってくれてるからな」
だからだというのだ。
「ええわ」
「そうですか」
「それでな」
セスペデスはあらためて話した。
「目的はこの世界を救うことやからな」
「このことに喜ばない」
「そうするわ、それで僕自身もな」
セスベデスはさらに話した。
「神託を適えてな」
「そしてですね」
「全体的に一回り強くなった」
「そうもなりましたわ」
「有り難いことにな、それで飲んで食べた後は」
セスペデスはさらにだ、フルーツを食べて言った。中南米のそれが実に美味い。
「次の場所に行こうな」
「そうしますか」
「今は飲んで食べるけどな、このお店のお料理はどれも百点やしな」
こう言ってセスベデスはまた食べた、神託を果たした彼はもう既に次の場所に向かうことを決めていてそこをもう見ていた。
浮島の上の雲 完
２０１９・７・１７
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