第三百七十三話 海上での緒戦その十二
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「お料理の評判はよくないです」
「最初そんなに酷いの?って思ったら」
エミリアはその国の王女として言った。
「これが、だからね」
「そうですよね」
「本当に何とかならないかな」
「一向によくなりませんですね」
「あれだな、ニシンを丸ごと入れたパイだな」
木野はブリタリアの料理を具体的に出した。
「ロブスターかザリガニをそのまま入れたりな」
「はい、そういうのです」
「ハギスや鰻のゼリーもあったな」
「よく知ってますね」
「そして肉は焼くだけ、フィッシュアンドチップスもな」
「ハヤトの国で食べさせてもらって」
「そちらの方がだったな」
「ずっと美味しかったです」
「あの、何かね」
アルフォンスもこう言った。
「ブリタリアはね」
「お料理は、だよね」
「それだけはね」
どうにもというのだった。
「本当にね」
「わかってるけれどね」
「中々だね」
「よくならないんだよね」
これがというのだ。
「どうもね」
「そうなんだね」
「紅茶は美味しいよな」
ハヤトはこうフォローを入れた。
「ティーセットと朝ご飯も」
「他は?」
「いや、他は」
エミリアに問われてだ、ハヤトも困った顔になった。
「それは」
「そうよね」
「何ていうか」
こう言うしかなかった」
「それは」
「そうよね、だからね」
「ブリタリア連邦全体としてか」
「お料理は駄目なのよ」
「お茶ばよくてもか」
「だからお茶だけだから」
エミリアはこうも言った。
「本当にね」
「だからティーセットは」
「それだけだから」
「それと朝ご飯か」
「あと全部駄目だって言うし」
「実際にまずいしな」
シャーロットの言葉は容赦がなかった、
「ブリタリアでは私は他のものを食べる」
「ブリタリア料理以外のものを」
「そうしている」
「そうなのね」
「まあお料理についてはです」
クレアはここでも助け舟を出した。
「言わないということで」
「そうですか」
「言っても仕方がありません」
ポトフを食べつつ言うのだった。
「ですから」
「だからですね」
「言わないということにして」
そしてというのだ。
「今はです」
「このポトフを食べて」
「フィレンツェステーキもです」
メインディッシュであるそれもというのだ。
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