暁 〜小説投稿サイト〜
Blazerk Monster
葉のない所に火は立たぬ
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。四葉が自分を陥れ、わざわざ一年間経ってから伝えた理由が何か。それから目を背けるように、涼香はテレビを消した。

「涼香……起きた?」

 呟きは思ったより大きかったのか、明季葉が目を覚ましたようだった。

「ええ。でもまだ寝てていいわよ。……後、ありがとね。色々」
「大丈夫……起きる」

 明季葉がいつものゆったりしたエプロンドレスに着替える。まだ少し眠そうな明季葉にオレンの実を無言で手渡すと、彼女も皮を剥いて食べ始めた。向こうが意識をはっきりさせ、話す準備を整えるまで涼香も果物を食べる。

「昨日の涼香の話……ポケモンリーグでの不正が涼香やポケモントレーナーのみんなにとってはすごく許せないことだっていうのは、なんとなくわかる」

 切り出しは、涼香の罪についてだった。昨日すんなり受け入れたことが涼香としては半ば信じられない所もあったが、やはりそのことを語る明季葉に嫌悪感のようなものはない。

「でも明季葉は、ポケモンリーグの結果なんて新聞で誰が優勝したのか見るくらいだったし、この旅が終わってもトレーナーになりたいわけじゃないから……ずるはいけない、くらいにしか思えない」
「……そう、なの?」
「うん……だから涼香がどれだけ苦しいかは、きっとわからない。ごめんなさい」
「そんなの、いいけど……」

 静かな言葉なのに、まるで氷を首筋に当てられたような感覚がした。確かに、この世界の人間が誰しもポケモンバトルの世界に熱中しているわけではない。そういう人からすれば涼香の不正はちょっとした出来心で済まされてしまうのかもしれない。弟の死、両親との絶縁、そして涼香も付き合いのある人間もトレーナー及びその関係者ばかりだから、この世の誰からも疎まれているように感じてしまっていた。涼香にとって、その言葉は衝撃的だった。

「ただ、明季葉にはこの旅に目的がある……そのことで、話したいことがある」
「トレーナーとしての道に興味はない。でもこの旅には社会勉強以上の価値がある……そういうことよね」

 ずっとチャンピオンになることしか考えてこなかった涼香には想像できない。明季葉は頷き、驚くかもしれないけどと前置きしてから。


「単刀直入に言うと……明季葉と巡は、許嫁の関係。本当ならこの旅は……結婚する前にお互いをわかり合う為の儀式のようなもの、のはずだった」
「……は?」

 
 確かに驚いた。時代劇とかファンタジーの中でしか使われない言葉を現実のものとして明季葉に真顔で言われるとは思っていなかった。ぽかんとする涼香に明季葉が少し不安そうになる。

「えっと、なんで許嫁なのかは、話した方がいい?」
「別にいいわ。……本当ならってことは、現実はそうじゃないんだろうし」

 にわかには信じがたいが否定しても始ま
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