第二章
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「まだ八十四だ」
「八十四歳ですか」
「まだな、年寄り扱いは早い」
「そうですか」
もう隠居する年齢だ、マリアは内心確信しながら応えた。このことはこの世界でも同じでニキータも同じことを考えた。
だがその感情は隠してマリアは老人に応えた。
「では、ですか」
「そうだ、弟子達に止められて癪だったが」
レースの参加をというのだ
「お前さん達と一緒ならあいつ等も文句は言わないだろう」
「そうでしょうか」
「若い者達が一緒ならな」
それならというのだ。
「あいつ等も文句は言うまい」
「あの、それはあれやで」
ニキータは老人の言葉を聞いてどうかという顔で述べた。
「介護やで」
「違う、サポートだ」
老人の頭の中ではそうだった。
「だからいいのだ」
「そうなるやろか」
「そうだ、だかららだ」
「あたし達をなん」
「連れて行こう」
是非にと言うのだった、そしてだった。
二人は強引に老人のパーティーに入れられてレースに参加することになった。だがそれでもだった。
老人、ハイメ=ポンスという忍者は二人にこう言ったのだった。
「レベルは百、そしてじゃ」
「忍者としてですね」
「その力はやな」
「まだまだ衰えてはおらん」
こう言うのだった、参加の願書を出してそれが認められてから。
「だからだ」
「ポンスさんもですね」
「うむ、どの様な罠も敵もな」
そうしたものがレースで出て来てもというのだ。
「任せるのだ」
「というかどういったレースですか?」
マリアは老人にこのことを尋ねた、三人で街を歩きながら。
「一体」
「うむ、このアスンシオンの街を走って一周するが」
「自分達の足で」
「その間多くのモンスターが出されてトラップもな」
こちらもというのだ。
「用意されている」
「障害物レースですか」
「そして術は使い放題だ」
これもいいというのだ。
「お前さん達は見たところレベルは百八十はあるな」
「おわかりですか」
「わしより遥かに強い、では術もな」
「強いと」
「だからな」
それでというのだ。
「わしも頼りにさせてもらう、術を使えば足も速くなるな」
「時魔術師の術を使えば」
「そうじゃな、ではな」
「それではですか」
「お前さん達の術も頼りにさせてもらってな」
そうしてというのだ。
「わしもだ」
「忍者の力で」
「罠も敵も任せておけ」
老人はここで不敵に笑った。そうして右手に苦無を逆手に持ち左手の人差し指と中指の間に手裏剣を出して言った。
「世界中を冒険者として旅をしてきたしな」
「それで今もですね」
「腕は衰えておらんわ、ではレースの日にまた会おう」
「スタート地点で、ですね」
「会おう」
こう話してそしてだった、二
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