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宝箱が一杯
第二章

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「術での識別はな」
「もうしないで」
「それでや」
「開けていくんですね」
「財宝はアイテムは手に入れてな」
 そしてというのだ。
「モンスターやったらな」
「倒しますか」
「そうする、ミミックも人食い箱もな」
 そうしたモンスター達でもというのだ。
「倒すのが神託やし」
「そやらかですね」
「もう術で識別なんかせんでな」 
 それでというのだ。
「片っ端から開けてな」
「そのうえで」
「モンスターやったら倒して」
 そしてというのだ。
「アイテムや財宝は手に入れる」
「そうしていけばええですか」
「そや、やってくで」
「ほなそういうことで」
 マルタはインファンテの言葉に頷いて賛成した、インファンテは実際に何でもないといった顔で自分達のすぐ傍にあった宝箱の一つに近寄り。
 その箱を開けた、するとその宝箱はミミックで早速箱そのものとなっている巨大な口を開いて喰らわんとしてきたが。
 インファンテは右手に持っているオリンディクスの槍でモンスターのその身体を口の中から串刺しにして倒した、モンスターは倒されると金塊になった。
 その金塊を拾ってだ、インファンテは言った。
「こうしていってや」
「人食い箱もミミックもですか」
「倒していけばええ」
「そうですか」
「ミミックも人食い箱も確かに強い」 
 インファンテもこのことは認めた。
「しかしそれは並の冒険者から見ればでや」
「星の者である私達からしてみれば」
「何でもないな」
「そうですね、術でも倒せますし」
「そやからな」
「落ち着いてですか」
「モンスターやったらその場で倒す」
 金塊を拾い終えて自分が持っている袋に入れてから話した。
「それでや」
「ええですね」
「何でもないわ、ほなこうしてな」
「洞窟のモンスター達も倒しながら」
「そのうえでや」
「ミミックも人食い箱も」
「全部倒していくで」
 こう言ってだった、インファンテは自分から宝箱を次から次に開き財宝やアイテムを手に入れると共に。
 モンスター達を倒しそしてだった。
 人食い箱もミミックも倒していった、その数はかなり多いが。
 一体一体的確に倒していった、そうして洞窟の隅から隅まで巡ってそのうえで全ての人食い箱やミミックを倒して洞窟を出たが。
 マルタはハバナのギルドに仕事を終えたと報告をする時に怪訝な顔になってそのうえでインファンテに言った。
「依頼は果たしましたけれど」
「どないした」
「いえ、人食い箱とかミミックって大発生しますか」
 言うのはこのことだった。
「そんなに」
「そう言えばそやな」
 インファンテはマルタのその言葉に頷いた、洞窟からハバナに向かう密林の中の道を彼女と共に進みながら。
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