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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第22話
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〜メンフィル帝国大使館・応接室〜


「そんな…………それではリィンさん達はアルフィン殿下やZ組の皆さんを含めたエレボニア帝国で知り合った方々の為に敢えてメンフィル帝国軍に…………」
「……………………」
「ハハ…………リィン君達の件は相当込み入った事情がある事は予想していたが、まさか私達の為に戦争に参加していたとはね…………私達は内戦に続いて本来ならばメンフィル帝国に所属している彼らがエレボニアの為にそこまで動く義理がないにも関わらず、そのような厳しい道を歩ませてしまったのか…………」
「殿下…………」
事情を聞き終えたクローディア王太女は辛そうな表情を浮かべ、ユリア准佐は複雑そうな表情を浮かべ、疲れた表情で呟いたオリヴァルト皇子の様子をアルゼイド子爵は心配そうな表情で見つめていた。

(あの子は…………!また、勝手に一人で突っ走って今度はセレーネやエリスまで巻き込んであたし達にも相談することなくそんな厳しく辛い道を選ぶなんて…………!)
(リィン…………)
(…………っ!)
サラは唇を噛み締めて身体を震わせ、アリサは悲痛そうな表情でリィンを思い浮かべ、リィン達をそのような状況に追い込んでしまった原因の人物は間違いなく自分の父と兄も関係している事を悟っていたユーシスは辛そうな表情で唇を噛み締めて身体を震わせていた。
(…………まさか、エレボニア帝国の滅亡を防ぐ為にメンフィル帝国軍に入隊していたなんて、完全に想定外よ…………それを考えるとアイツの頑固な性格を考えると、今回の件、内戦の時とは比較にならないくらいの厳しい状況になりそうね…………)
(最悪の場合、今後の活動でリィンさん達と私達が敵対するような出来事が起こるかもしれないわね…………)
(一度決めた事は決して曲げないリィンの誠実さでもあり、頑固でもある性格を考えると、委員長の言う通り本当にオレ達がリィン達と戦わざるを得ない状況が起こるかもしれないな…………)
(そ、そんな…………リィン達が”敵”になるって…………)
(くっ…………手紙でもいいから、どうして僕達に相談してくれなかったんだ、リィン…………!)
それぞれ複雑そうな表情で呟いたセリーヌとエマ、ガイウスの話を聞いたエリオットは不安そうな表情を浮かべ、マキアスは悔しそうな様子で唇を噛み締めていた。

(そ、そんな…………これじゃあクロウ君の二の舞だよ…………っ!)
(そうだね…………だけども彼らの場合はクロウの時と違い、”祖国であるメンフィル帝国の為にエレボニア帝国と戦う事”でもあるのだから、メンフィル軍に入隊した彼らの行動は決して間違ってはいないし、今回の件は完全にエレボニアに全面的な非があって”大義”は完全にメンフィルだから、クロウの時以上にリィン君達を連れ戻す事は難しいだろうね…………)

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