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美化し過ぎ
第二章

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「わしはインターネットのゲームが好きじゃが」
「ではそのファミコンやネットのゲームで太閤様が出ているものも多いので」
「そうしたゲームでわしの顔をか」
「御覧下さい」
「一体どうしたものじゃ」
 秀吉は眉を顰めさせつつ言った、そして家に帰って実際にねねがしているそうしたゲームやインターネットでゲームでの自分の顔を見てみて。
 それでだ、ねねはこれ以上はないまでに違うという顔で言った。
「わしはアフリカのゴリラでもなければきりっとした美青年でもないぞ」
「あら、ゲームの御前さんの顔はそうだよ」
「どっちでもないわ」
 そこは言うのだった。
「中には美しい娘になっておるが」
「御前さんがねえ」
「断じて違う」
 そこは力説する秀吉だった。
「何故わしがそうなる」
「世の中色々描く人がいるもんだね」
「色々過ぎるわ、全くわしが何故若い男前で美しい娘なのじゃ」
 そこが違うというのだ。
「わしは猿だぞ、猿の面影なぞじゃ」
「申し訳程度でね」
「これは絶対に違うとな」
「御前さん自身が言える位にね」
「違うわ、何処をどうすればこうなる」
「世の中わからないね」
「後世の本朝の者達はどうなっておるのじゃ」
 こうも言う秀吉だった。
「全く、どうなっておる」
「そう言うけれどね」
 ねねは憤慨さえ見せる夫に落ち着いた声と仕草で話した。
「今はね」
「わしはそうした風に描かれておるのか」
「そしてあたしもだよ」
「そういえばお主もくノ一みたいになっておるゲームがあったぞ」
 秀吉はねねの笑っての言葉でこのことを思い出して言った。
「喋り方も違うしのう」
「尾張の言葉じゃなくてね」
「わし等の言葉なぞな」
「本当の尾張の言葉だからね」
「大坂でもそう喋っておったわ」
 特に夫婦喧嘩の時はそうだった、二人共尾張の言葉丸出しで言い合っていたのだ。
「しかしな」
「そこも違うしねえ」
「わし等どころではなくな」
「殿様だってそうだしね」
「殿なんかわし以上に凄いではないか」
 織田信長、彼はというのだ。
「二枚目であることが多いが」
「実際にそうだしね、あの方は」
「しかし妙に陰があったり魔王だったりのう」
「悪役も多いね」
「どういうことじゃ、ここは一度殿にじゃ」
 他ならぬ信長自身にというのだ。
「どう思われておるかな」
「お聞きしてみるんだね」
「織田家の同僚達に徳川殿にも来てもらってな」
 色々あったがやはり和解して今は仲良くしている彼等もというのだ。
「武田殿も上杉殿もな」
「そうしてだね」
「このことを話そうぞ」
 こう言ってだ、秀吉は実際に極楽浄土の信長の屋敷まで向かった、その際戦国時代の主な面々にも集まってもらった。
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