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八条学園騒動記
第五百十五話 洪童の結論その十

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「実際に」
「だがそれでもな」
「逃げ方はあって」
「逃げることだ」
 それがいいというのだ。
「そうすればいい、しかしな」
「馬鹿だと」
「逃げずにな」
「暴力を受け続けるのね」
「子供が暴力を受けるのを見てもな」
「何もしないとか」
「そうなる、本当に馬鹿だからな」
 暴力を振るう輩も愚か者だが、というのだ。
「嫌な話だ」
「そうね、暴力を振るう馬鹿と一緒になるのも」
「馬鹿だ」
「馬鹿だから一緒になるってことね」
「同じレベルのな、もっとも暴力を振るう馬鹿はな」 
 この話の元凶とも言える奴はとだ、洪童は殊更忌々し気に述べた。
「家族にいつもする様だとな」
「生きていてもっていうのね」
「無駄だ」
「最低の奴よね」
「本当にな」
「私達がそれぞれお話に出した馬鹿と同じかしら」
「そうだな、俺が言った馬鹿は病気で障害が出来た自分の叔父さんにだ」
 身体に問題がありしかも親戚として立場が上の相手の人にというのだ。
「少し言われて怒って殴ってやろうかと言った」
「身体が弱い自分の叔父さんになの」
「少し言われただけでな」
「それも酷いわね」
「この話で余計に周りから見放された」
「そりゃそうなるわよ」
 ナンシーも納得することだった。
「そんな人に殴ってやろうかとかね」
「ちょっと言われた位で怒ってな」
「本当に駄目人間だったのね」
「何かとな」
「本当に親の教育が悪かったのね、いえ」
 ナンシ―は自分で言って気付いてその言葉を訂正させた。
「元々悪くて」
「それが親の、母親の教育が悪くてな」
「そうなって」
「それからの生き方もだ」
 成長したそれもというのだ。
「悪くてな」
「それでよね」
「そうなってな」
「今じゃ行方知れずね」
「そうなってもな、もうな」
 それはと言うのだった。
「探せば行方はわかるが」
「もう誰も探さないのね」
「皆見放したからな」
 そうなったからだというのだ。
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