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八条学園騒動記
第五百十五話 洪童の結論その七

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「あまりにももてたいと思ってな」
「それでっていうのね」
「それが出過ぎてな」
「そうしたあんたの内面がなのね」
「出ていてもな」
「見えにくくなっていたので」
「そうだろうな」 
 こう言うのだった。
「自分で思うがな」
「そうね、言われてみればね」
「ナンシーもそう思うか」
「あの時のあんたカムイ共々凄かったから」
 もてようという気持ちが強く出過ぎていたというのだ。
「その時のことを思い出せばね」
「そう言うか」
「言うしかないわ」
 否定出来ないというのだ。
「それこそね」
「そうか」
「人間悟らない限りね」
 ナンシーは仏教の話もした。
「煩悩はあるわね」
「本当にそうだな」
「これは誰でもあるわよ」
「悟らない限りな」
「何かしらね、それであんたはね」
「そっちへの煩悩が強かったな」
「それもかなりね、それでね」
 ナンシーはさらに話した。
「あんたもね」
「それが出てか」
「それでよ」
「いい内面がか」
 それがというのだ。
「他の人には見えにくくなっていてか」
「もてなかったのよ、それで考えを変えて」
「それでか」
「今に至るのよ、というか今のあんたってカムイもそうだけれど」
「もてようとはな」
「思ってないわね」
「彼女がいる」
 それならばという返事だった。
「俺もカムイもな」
「それならよね」
「もうな」
「もてる様なことは」
「しないしだ」
 それにというのです。
「考えることもない」
「その達観さもね」
「いいか」
「ええ、もてる要素よ」
「人間は内面からもてるな」
「女の子だってね」
 男だけでなくというのだ。
「性悪女はもてないわよ」
「顔はよくてもだな」
「漫画とかに出て来るみたいな性根の腐りきった悪女は」
 幾ら顔が奇麗でもというのだ。
「しまいに誰も近寄らなくなるわよ」
「もてないか」
「そうよ、女の子からもね」
「嫌われてか」
「同性愛者じゃなくても」
 そうした女はというのだ。
「結局性悪だとね」
「嫌われてか」
「もてないわよ、人を騙したり陥れたりばかりで」 
 それでというのだ。
「平気で嘘を言って悪事を重ねるならね」
「確かにそんな奴はな」
「誰も好きにならないでしょ」
「醜悪な性格だとな」
「そうそう、それでやがてはね」
「顔に出るな」
「そうもなるから」
 だからだというのだそうした話をしてそしてだった。ナンシーは久志に対して今度はこんなことを言った。
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