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氷の塔
第三章

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 モンスターや獣達も出て来た、そのモンスターや獣達も寒冷地のもので。
 三体の雪狼を倒してからだ、エミリーはエリカに言った。
「雪や氷やとな」
「そうした系統のモンスターや獣にはな」
「火や」
 雪や氷と正反対の属性であった。
「それで攻めていこうな」
「それがええな」
「あと防寒しといてよかったわ」
 エミリーはこうも言った。
「ほんまにな」
「下にタイツとか厚い靴下穿いてな」
「長袖のシャツにカイロに」
「そうした装備してな」
「手袋もな」
 エミリーは籠手を着けているがエリカはそちらだった、それでエリカに言うのだ。
「しててな」
「正解やな、若ししてへんと」
「自分スナイパーやしな」
「そや、とてもな」
「指がかじかんで引き金も引けんな」
「そうなるさかいな」
「手袋もしててええな」
 こうエリカに言うのだった。
「ほんまに」
「実際にな」
「私もです」
 二人の足元にいるドルイドも言ってきた、実は彼女の術も結構役に立っている。強いのは意志だけではなかった。
「やはりです」
「防寒はか」
「毛糸のパンツに毛糸の靴下に毛糸のタイツにセーターを」
「毛糸ばっかりやな」
「そして手はです」
 見ればその手は。
「ミトンをしています」
「自分毛糸好きやな」
「実は」
 こうエミリーに答えた。
「自然のものが好きで」
「ドルイドらしくやな」
「ですからそれで、です」
「寒さ対策してるか」
「はい、お陰で暖かいです」
「それは何よりやな」
「とにかく今は寒いので」
 ドルイドにしてもだった、今のペンシルバニアの寒さは堪えた。それでエミリーに対しても言うのだ。
「こうしてです」
「防寒してるな」
「そうしています。あとお風呂にも」
「シャワーやなくてか」
「毎日入っています」
 そうもしているというのだ。
「最近は」
「ドルイドは沐浴も大事やしな」
「その沐浴もです」
「お風呂か」
「冬はいつもそうですが」
 それでもというのだ。
「今年はもう」
「じっくりと沐浴してやな」
「そうしてです」
「身体温めてるか」
「身体が冷えますと」
「身体によおないからな」
「ですから」
 そのことを頭に入れていてというのだ。
「今はです」
「身体を温めてるか」
「そうしています」
「それがええな。とにかくな」
「この寒さには」
「対策が必要やな」
「六十階にいきますと」
 それこそとだ、さらに言うドルイドだった。
「もうその寒さは」
「相当やな」
「ですから」
 それ故にというのだ。
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