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老人からの依頼
第二章
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「わいはな」
「そうか、ほなな」
「今からやな」
「その依頼受けような」
「時計屋の爺さんのやな」
「そうしよな、ビル=カップ爺さんのな」
「何か名前聞いてたらな」
 スタインベックは自分達が起きた世界の記録から話した。
「性格的に難ありそうやけどな」
「タイ=カップな」 
 ホイットマンもスタインベックが言いたいことはわかった、二十世紀前期のメジャーで活躍した野球選手だ。
「滅茶苦茶な人格やったからな」
「最高の野球技術にな」
「最悪の人格やったっていうな」
 短気で獰猛、口が悪く人種的偏見も強かった。その為生前から敵も多かった。
「そうした選手やったってな」
「そう言われてるな」
「そのタイ=カップみたいやとな」
「難儀やな」
 二人でこんなことを話したがだった。とりあえずコーヒーをかなり飲んで酔いを幾分か醒ましてからだった。
 ホイットマンはスタインベックと共にギルドの事務を担当している役人に依頼を受けると申し出て了承された。
 そうしてその時計屋にギルドを出てすぐに行くとだった。
 様々な種類の時計が置かれている店の中にいる一人の年老いた天使の気難しい顔をした男が二人にカウンターから言ってきた。
「何か買うかい?冷やかしなら帰りなよ」
「ギルドの依頼で来たんや」 
 ホイットマンはその親父に返した、髭がなく丸眼鏡で背中が曲がり白髪をオールバックにしている。服装は職人らしくエプロンとズボンだ。
「それでや」
「そうか、もう来たか」
「そや、それでや」
「依頼のことだな」
「それで何や」
「これを届けてくれるか」
 こう言ってだ、老人は。
 懐からあるものを出した、それは腕時計だった。ホイットマンはその腕時計を見てすぐんこう言った。
「これめっちゃ高いやろ」
「お前さんはそう思うか」
「ああ、おいらは時計好きでな」
「そうなのか」
「それで腕時計もな」
 老人が今出したそれもというのだ。
「わかるさかいな」
「それでか」
「ああ、あんたの手作りか」
「わしは売るだけじゃなくてな」
 老人はホイットマンと彼の横にいるスタインベックに話した。
「作ることも出来るんだよ」
「職人でもあるんやな」
「そうだよ、悪いか」
「別に悪いって言ってへんやろ」
「そうだな、それでだ」
「ああ、この時計をやな」
「ここに届けてくれ」
 老人はホイットマンに一枚のメモを差し出した、そこにはだった。
 フェニックスから離れた村の住所が書かれていた、老人はその住所を指差しつつホイットマンにいうのだった。
「いいな、それで届けたらな」
「ここに戻って来るんか」
「絶対にだ、それでわしに届けた奴がどうだったか言ってくれ」
「そ個までが今回の依頼やな」
「そうだ、いいか絶
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