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背後にいるもの
第五章

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 ここでだ、二人のいる場所が社長室から周りが無数のドス黒い渦で覆われた世界に出た。そして二人の前にだった。 
 無数の悪霊や怨霊、邪霊や悪魔達が出て来た。そしてその先頭に。
 人間の女の上半身に烏の翼、雄山羊の下半身と頭、見れば頭は三つあるその異形の悪魔が二人に言ってきた。
「私はあの女に召喚され動かしている悪魔バモンだ」
「やはり悪魔が憑いていましたか」
「あの女は権力を求めている」
「だから会社をですか」
「今意のままに動かし」
「利益を挙げて大きくし」
「世界屈指の企業になりな」
 そしてというのだ。
「その権力を握ろうとしている」
「そうでしたか、そしてその見返りは」
「私に多くの魂を捧げるという」
「魂、人の」
「そうだ、幼子達のな」
「そうした契約でしたか」
「その契約の為にだ」
 悪魔はヘミングウェーを見据えつつ身構えた、そうして彼とボームに言った。
「邪魔をするお前達はここで消えてもらう」
「一つお聞きしたいことがあります」
 ヘミングウェーは悪魔の言葉に怯えることなく問うた。
「この場所から出る手段はありますか」
「有り得ないが私を倒した時にな」
「そうですか、では一瞬で出ましょう」
「一瞬?」
「はい、ではボーム君」
「ええ、ダンディに戦ってね」 
 ボームはヘミングウェーの言葉に笑て応えた。
「華麗に勝って」
「この忌まわしい場所を出ましょう」
「すぐにね」
「戯言を、ベール様の側近である私を人が倒せると思っているのか」
「はい、貴方の後ろの多くの霊や悪魔も全て」
「言ってくれるな」
「そうしてみせます、私達が」
 ヘミングウェーはこの言葉と共に術を放った、そしてだった。
 ボームと共に戦い忽ちのうちに多くの悪霊や悪魔達を倒していった、そして三つ頭のサバトの山羊に似た悪魔もだった。
 その圧倒的な術の力で倒した、悪魔はその命が消える中で驚愕の言葉を出した。
「馬鹿な、人が私を倒すなぞとは」
「私達は星の者達なので」
「人でもか」
「そうです、魔王ですら何なく倒せるのですから」
 それだけの力があるというのだ、悪魔が仕えている主達にすら。
「貴方もです」
「倒せるというのか」
「この様に。多くの幼子達が生贄に捧げられなくてよかったです」
「おのれ」
「では我々はこれで」
 悪魔を倒したからこの場所を出ると言った、すると実際にだった。
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