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悪魔の花
第四章
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「残念なことに」
「そやな」
「この街の近くにな」
「あの花を栽培してるとこはあるな」
「けれど街の中も周りも調べても」
 そうしてもとだ、茅は言うのだった。町の中は動物園も植物園もあらゆる施設の中も調べた。植物園の園長が妙に自信たっぷりなのが気になった位だ。
「何処にもな」
「ないな」
「これはな」
 どうかとだ、茅はさらに言った。
「何かないとはな」
「思えんな」
「むしろこうした時はどうなんか」
 茅は屈に言った。
「何処に何があるか」
「そう考えることやな」
「そや、街の中にも近くにもない」
 麻薬を生み出すその花がというのだ。
「それでもや」
「絶対にやな」
「何処かにある、そしてルートもな」
 売買のそれもというのだ。
「絶対にある、しかも街のこれはという相手にすぐに仕掛ける」
「街におるモンを物色してるな」
「多分な、それが出来るとなると」
「この街に拠点がある連中やな」
「そや、街に普段からおればな」
「顧客というか獲物の物色もしやすい」
 この街にいるからだ、屈も言った。二人は夜の部屋の中で今は共に茶を飲み向日葵の種を齧りつつ話をしている。
「それやとな」
「この街に麻薬組織の拠点はある、そして」
「その拠点からな」
「華を栽培してる場所は程近い」
「そうなるな」
「しかしや」
 それでもとだ、茅はさらに言った。
「街の何処にもない」
「ほんまにな」
「あと街の上も探した」
「近くの浮島もな」
 海口市の周りにあるそうした島々もだ、既に調べたのだ。
「なかった、となると」
「色々探したけどな」
「一つ探してない場所がある」
 茅の声がさらに強いものになった、それで言うのだった。
「それはな」
「ああ、下やな」
「そや、下水道や」
「そこを拠点としてるか」
「その可能性は高い」
 海口の街全体も周りも浮島も探した、だが何処にも手掛かりは一切なかった。だがそこはというのだ。
「ほなな」
「そこにやな」
「明日の朝から二人に入るか」
「ほなな」
 屈も頷いた、そしてだった。
 二人は次の日日の出と共に街の下水道の中にマンホールを開けたうえで入った、そのうえで中を調べていると。
 不意にだ、怪しい者どう見ても下水道の作業員でない者達がだ。
 数人急に出て来た、二人は用心の為に姿を消す術を使っていたので彼等には見付からなかった。だが二人は違っていて。
 それでだ、彼等は見付けたが相手は見付けられなかった、それでだった。
 二人はこっそりと彼等の方に向かった、そうして彼等が話している内容も聞いた。
「まさか警察にグルになってる奴がいてな」
「情報提供してるとは思わないだろうな」
「張り込みを避けられるのもな」
「そしてこの下水
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