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緋弾のアリア ──落花流水の二重奏《ビキニウム》──
最初の大舞台 U
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とも徐に呼び止められたからだろうか、どちらかは分からないけれど、アリアは怪訝そうな顔をしていた。「もう少し安全な策があるよ」とだけ前置きしてから、二の句を次ぐ。


「こちらの陰陽術……《境界》で移動した方が安全だと思う。あれなら一瞬で車内に入れるよ」
『陰陽術、《境界》って……要するに空間移動の超能力みたいなもの?』
「認識が早くて助かるよ。それで、やる?」
『……そうね、やりましょ』


言い終えたところで、アリアがヘリの操縦士に何やら指示を出していた。そうして、開きかけていたヘリのドアが、再び閉じる。それが承諾の意であることは明々白々だった。
前衛の方針は決定したのだから、残るは後衛だ。とはいえ、レキが後衛を担う以上は、何らの杞憂すらも抱かなくて済む。これが彼女の実力で、そこから生まれた、信頼なのだ。


「レキ、後方支援は頼んだよ」
『分かりました』


レキにしては珍しく、意思を垣間見れる返答だった。もう杞憂も何も無いね、と判断してから──アリアを一瞥して、今いる場所とバスの内部とを、《境界》で繋ぐ。アリアにそこを入るように促してから、自分も後を続いた。そこはもう、バスの社内なのだ。

バスジャックされたことで、生徒たちはただでさえ混乱しているのだ。そんななかで、突如として2人の応援が来たならば──それも、ある種の変則的な方法で──この混乱は、動乱を招くことになる。言葉が四方八方に交錯しているから、何を言っているのかが碌に聞き取れない。ただ、その中で、かろうじて聞き慣れた声がした。力強い声だった。


「彩斗!」


声の主は、車輌科の武藤だった。いつもの磊落で諧謔的な調子とは遠い、焦燥に塗れた様だ。


「ちょっと話を聞いてやってくれ。あれだ。あの子」


駆け寄ってきた武藤が指をさす。その先は、運転席の傍らに立つ眼鏡の少女だった。
……見覚えがあるね。武藤と居る時にほんの少しだけ話したことがある、中等部の後輩だったか。そんな彼女は、携帯電話を両手に握りしめたまま、声を震わせて助けを求めてきた。


「大丈夫、落ち着いて。……どうしたの?」
「いつの間にか私の携帯がすり替わってたんですっ。そ、それが喋りだして……!」


『──速度を 落とすと 爆発 しやがります』


携帯電話のスピーカーから発される音声──その声色を聞いて、内心で合点がいく。確かに、アリアの言う犯人像と一緒だね。武偵殺しの模倣犯、と見ても良いだろう。


「アリアの言った通りだよ。このバスは遠隔操作されてる」
「やっぱりね。思った通りだわ」


アリアは得意げに笑みを浮かべているが──まだ、安堵してる場合じゃないだろう。アリアの言に従えば、このバスには爆弾が仕掛けられているの
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