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緋弾のアリア ──落花流水の二重奏《ビキニウム》──
押しかけ武偵
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いことには相違ないのだ。現にキンジはHSSの状態で武偵校の入試を受け、当時は強襲科Sランクとして認定されたほどなのだから。本人は期せずしてと語っていたけれど、それが逆に功を奏していたろう。


「……もうその話はいいだろ。終わりにしようぜ」
「あ、ちょっと待って。最後にあのベルトの弁明が聞きたい」
「あれは……爆風でスカートのチャックが壊れたって言ったから貸してやっただけだよ。それ以上でも以下でもない」
「なぁんだ、つまらない。でも少し安心した」
「はぁ……?」


ちょうど良い拍子に、昼休みの終了を告げる予鈴が鳴り響いた。







一般科目を終え、早々に帰路に着いた自分は──ただ暇に任せながらソファーの上に寝転がっていた。専修科目の強襲科に赴かないのは、取り敢えず進級できそうなだけの単位は既に揃えてしまっているからだ。去年の総合獲得単位は今年分を含めた進級単位にほど近しいらしく、それを聞かされた時は驚愕したね。

1年の時は、何がなしに依頼を受けていた記憶がある。それこそ本物の便利屋のように。しかし単位を1年でそこまで取っていて、しかも繰り越し制度もあるなんて──という感想しか抱けなかった。今なら現状を見て、取り敢えずは暇だという感想くらいは言える。
対してキンジは探偵科の授業を受けているから、まだ帰ってこないだろう。終わった頃合いとはいえ、徒歩での帰宅は少々時間がかかる。本当に暇だね……。

呆然と何かを考えていると、まるで行き先の決まっていた観念連合のように、話題は今朝のチャリジャックに行き着いた。誰が自分たちの自転車に爆弾を仕掛けたのか。そもそも自転車に乗ることを予知していたのか、本当に無差別だったのか。誰があのセグウェイを遠隔操作していたのか。武偵殺しは既に捕まったはずだ。なら、これは模倣犯の仕業なのか。

思考を重ねるほどに分からなくなっていく。泥沼に片足を突っ込んだみたいに、考えが上手く纏まらなくなるような感覚を抱いた。脳内を縦横無尽に単語が横切っていくものだから、落ち着かない。匿名で武偵校の裏サイトに通報をしたあの後、直々に探偵科と鑑識科には物品の鑑定依頼をしたけれど、その結果を待たないことには話は始まらないか……。

そこまで思考が行き着いた時、制服の内ポケットに仕舞っていたケータイが、バイブレーションでメールの着信を知らせた。宛先は──ホームルームで馬鹿騒ぎしていた、探偵科の峰理子だね。さしずめ、共同調査の中間報告といったところかな。


『To:あっくん
From:理子りん
本文:探偵科と鑑識科の共同捜査はちょうど今、終わりましたっ! 鑑識科にセグウェイの詳細鑑定を任せてるから、それが終わったら結果を教えるねっ♪』


『ありがとう。お疲れ様』と
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