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生きている洞窟
第一章

[2]次話
               生きている洞窟
 簫紅美と白緑麗は今は紅美の神託で中国湖北省江陵に来ていた。紅美は緑麗に江陵に入るとすぐに言った。
「とりあえずご飯食べようか」
「腹が減ってはやな」
「そや、まずは食べんとな」
 それこそというのだ。
「何も出来んわ、そやからな」
「まずはやな」
「何か食べようか」
「それはええけどな」
 緑麗は猫人の頭で紅美に話した、見れば中々奇麗な猫の顔だ。毛並みもいい。
「具体的に何を食べるか」
「それが問題やな」
「それで何食べるねん」
「そやな、屋台に入って」
 紅美は丁度目に入った街の屋台、中国によくある感じのそれを見て緑麗に話した。
「それでな」
「そのうえでやな」
「そや、食べてな」
 そのうえでというのだ。
「ギルドに行こうか」
「あそこは麺売ってるな」
 緑麗は紅美が見ているその店を自分も見て言った。
「ほなな」
「あの店にやな」
「今から行こうな」
「そうしよな」
 二人でこう話してだ、そしてだった。
 まずは屋台に入ってそこで麺を食べた、それは太めの温かいスープの中の麺でありその上には刻んだ野菜や香草、淡水魚等が置かれている。
 二人はその麺をそれぞれ何敗も食べてだった、そうして。
 今度は江陵のギルドに入った、そこで神託でありそうな依頼を探すとだった。
「洞窟か」
「ああ、この江陵の北西の山の中にあるな」
 紅美は緑麗に答えた、バーバリアン特有の大柄な身体は猫人として小柄な緑麗の二倍はある様に見える。
「江陵の洞窟っていうな」
「名前そのままやな」
「この辺りでは有名な洞窟や」
 こう緑麗に話した。
「モンスターも多くて冒険者もよお入る」
「そんなところやな」
「そや、その洞窟にまで入って行方不明になった冒険者の一行をか」
「救出して欲しい、か」
「よおある依頼やな」
「そやな、冒険者のギルドの」
 緑麗は紅美のその言葉に同意して頷いた。
「よくある種類のや」
「そやな、ほなこの依頼私神託って感じたから」
 それでとだ、紅美は緑麗にあらためて話した。
「受けようか、まあ神託やなくても」
「義を以てせざるはやな」
「勇なきなりってな」
 紅美は孔子の言葉も出した、実際に孔子は学問だけでなく武芸も達者で大柄な身体でもありかなり強く勇気も備えていたという。
「言うし私は義賊や」
「ほな余計にやな」
「こうした時は動くもんや」
 義賊、盗賊であるが悪人からものを奪い義侠心を貴ぶ者ならというのだ。
「それでや」
「これからやな」
「そや、受けるで」
「わかったわ、私も付き合うで」
 緑麗はバーサーカーだ、戦いの時はトランス状態になり狂った様に暴れる職業だ。だが彼女も義侠心がありこう答えたのだ。
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