暁 〜小説投稿サイト〜
人徳?いいえモフ徳です。
四十七匹目
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
がシラヌイ様の身長では……」

「大丈夫」

踏み台を出す。

空の木箱だ。

そこに乗る。

「油」

「えーと……」

「その瓶のままでいいよ」

エリザが持ってるのはビール瓶くらいの物だ。

中身は油。

それを受け取って鍋の底一面に垂らす。

「こんな物かな…」

エリザに油の瓶を返す。

で、アイテムボックスから種の瓶を出して、中身をザラザラと鍋の中へ。

「シラヌイ様。それは家畜の餌では…?」

「普通そう思うよねー。これ考えたメキシコ人頭どうかしてるよ」

まぁトウモロコシが家畜の飼料なのは主にヨーロッパだったけどね。

「めき…?」

鍋の底一面にばらまく。

油の量もちょうどいい。

蓋をして、魔力コンロを着火する。

「あとは待つだけだよー」

「えーと……シラヌイ様?」

「なに?」

「魔法の実験ですか?」

「いや、お菓子だよ。ポップコーンっていうの」

「ポップコーン……ですか?」

「皮の分厚いトウモロコシを熱したら爆発するんだけど、それを使ったお菓子」

「はぁ…、お菓子……ですか」

エリザはまったく信じてないな。

「ふっふっふ……ジャンクフードの定番だよー。売り出せばバカ売れ間違いなしさ。材料費も安いしね」

この世界にポップコーンがないのは調査済みだ。

と、話している合間に鍋から音がし始めた。

「お、鳴ってる鳴ってる。成功だね」

ポンポン音がしなくなった所で蓋を開けると、白い見慣れた物。

「どうだいこの食欲をそそる香ばしい匂い!」

エリザが持ってきたボウルにお玉で掬ってうつす。

結構な量だ。ボウル約二杯分。

「これに塩をかければ完成だよ」

メイドに塩を持ってこさせ、ポップコーンに振る。

「ん」

お婆様とエリザに差し出す。

二人がサクサクとポップコーンを食べる。

「ふむ。面白い食感じゃのう。この香りもクセになる」

「かける物で味を変えられそうですね」

「鋭いねエリザ。ポップコーンは元の味がほとんど無いからいくらでも味をつけられるんだ。
甘い、辛い、しょっぱい、なんでもね」

「しかし喉が渇きそうな食べ物じゃな」

「果実水とかビールとか合うよ」

アイテムボックスから果実水の濃縮液を出す。

「そこの! これ人数分五倍に薄めて!」

メイドを呼びつけて果実水の瓶を渡す。

「いいのですか?」

「君らも気になるでしょ?」

そのメイドは八個のコップに果実水を入れて、水魔法で薄めて持ってきた。

「えっと…」

「食べていーよ。っていうか食べろ」

遠慮してる風だったメイド
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ