絶対■■戦線フィランソロピー
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ら南部前線基地への運搬に遅延が見られるか。彼処には魔獣の狩り場があったはずだ。大方、獅子やら熊やらの魔獣が溜まってきたのだろう。南門の兵舎から一個小隊を出せ。貴重なタンパク質だ、死体はその小隊に南部基地に運ばせろ。指揮はアーノルドだ」
「了解。伝令! 聞いていたな? ただちに向かえ! その際にアーノルドにこの書類を渡せ。返信は要らんと伝えよ!」
シロウの命令を待たずジョナサンは書面を認め、それを丸めて紐で括り、伝令に持たせて早馬を出す。
飛び出していく兵と入れ替わりに馬蹄が響いた。
「伝令! 伝令! 大総統閣下に伝令!」
「騒々しい! 何処からだ!?」
壮年の大男、ジョナサンは元貴族である。その威厳は軍人として務めて来た事で磨かれ、本営に転がり込んできた若い兵士を落ち着かせた。
彼の一喝に兵士は背筋を伸ばして早口に応答する。しかしその最中にも馬蹄の音が聞こえてきていた。
「北部基地部隊長アルトリウス・カーター大尉より報告! 『我、敵軍にサーヴァント・タイプの個体を確認した。その数二十。全てが男性型。直ちに援軍を請う』との事!」
「二十ッ?!」
「伝令です! 東部基地より伝令! 敵軍にサーヴァント・タイプを確認! 数は十! 対城宝具は持っていない模様! されど設備への被害は甚大、死傷者三名! 現在アルジュナ殿が応戦しておりますが、基地を守る結界に破損が見られます! アルジュナ殿の宝具が防がれました、この儘では半日と保ちません!」
「――北部にはシータがいたな? 対軍規模の宝具使用を五回まで赦すと伝えろ。それで敵サーヴァントの足を止める。投石機『剣砲』も使え。可能なら斃しても構わん。ジョナサン――」
眼を見開くジョナサンがシロウに振り向くのに、シロウは冷静に応じた。東部基地からの伝令から渡されたリストに目を通す。
それにはアルジュナの対国宝具を凌いだ敵サーヴァントの宝具の真名が記載されていた。
敵は『アルスターの赤枝騎士団』である。アルスター十八楯の内の幾らかが確認されている。
アルスター王コンホヴォル・マク・ネサの『海洋に唸る戦楯』による防禦力。
勝利の狼の異名を持つコナル・ケルナッハの『手に迅き群狼の牙楯』による迅速な護り。
ケルトハル・マク・ウセハルの所有する、波打った形状の楯『戦門開く力』による担い手の強化。
赤枝の騎士であると同時に、宮廷詩人にして裁判官であるシェンハ・マク・アレラの『共鳴し、清めの詩を歌い上げよう』による、同胞の宝具を一つの力に纏め上げる力。
虹霓剣を三度に亘り凌ぐ楯、防禦の巧みさと迅さを上げる五枚一対の楯、担い手と宝具
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