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人理を守れ、エミヤさん!
実働開始だよ士郎くん(下)
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聞いてない……なんで格上相手に戦術縛りがあるんですかね……。剣一本でやれ? セタンタなら楽勝?
 そんなのと比較するとか遂に呆けたかこの鬼ババ――



















 以上の惨劇を以て彼の末路は決定された。
 ヒューマンなど偽りの種族。其は鬼教官が生み出した、彼の資質を最も悪辣に引き出した合理主義。
 その名をケルト。エジプト、インド、ウルク、ブリテン、日本、ギリシャに並ぶ、七つの戦闘民族の一つ『死狂(ケルト)』の理を持つ(ケルト)
 人が人のまま人を超え、神をも殺すという戦闘論理こそが、その男の獣性なのだ。

 ――等という戯れ言は兎も角として。

 その男は誓った。最早あの鬼畜にも勝る、遠坂さん家の凛さんが裸足で逃げ出すレベルのスパルタ女には一切の遠慮はしない、と。過労死するレベルの仕事を振って酷使する事に良心を痛める必要はない。そこまでして漸く対等なのだ。
 俺が物理的に殺されるか、スカサハが過労死するかのデッド・オア・チキン・レースこそが俺達の関係なのだと魂で理解した。後、無性にマーリンをぶん殴りたくなってきた。
 理不尽だろうが、何故か正当な怒りとか悔しさとか情けなさとかがある気がする。

 衛宮士郎がこの特異点に転移させられてより、凡そ一年の月日が流れるまで――死と隣り合わせの練磨は続いた。
 そうして『人類愛』の兵士の練度は飛躍的に向上する。生存をかけた士気高らかなる戦意しかなかった彼らに、それに釣り合うだけの力が宿ったのである。

 そうして、彼らの実働が開始された。









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