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ある晴れた日に
28部分:噂はそよ風の様にその五
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噂はそよ風の様にその五

「そういうのはね」
「桐生君はどうなの?」
「一応夏でも下にズボンは」
 彼はそうなのだった。
「穿いてるけれど」
「じゃあいいけれどね」
「そうだよ。それが普通なんだよ」
 奈々瀬だけでなく春華は言う。
「それがな」
「普通かね」
「桐生は真面目すぎるよな」
 野茂と坂上も普段はトランクス一枚らしいのが今の言葉でわかる。
「夏でもそれなんてな」
「暑くないか?」
「いや、別に」
 別にどうということはない様子の桐生だった。
「それはないよ」
「そうなのか」
「御前って結構凄いな」
「凄いっていうか常識だし」
 咲の考えは他の女の子達と同じである。
「パパもお兄ちゃんも家でも普通に真面目な格好よ」
「ジャージでもなく?」
「ええ」
 咲は今度は竹山の言葉に頷いてみせた。
「そうよ。そういえば竹山君は」
「いつもジャージだけれど」
 彼はそうなのだった。
「トランクス一枚って何か嫌だから」
「ほら、見なさい」
 咲はあえて野本に言うのだった。
「親戚の子はちゃんとしてるわよ」
「俺はワイルドなんだよ」
「そういうのはワイルドじゃないじゃないの?」
 明日夢も目を少し顰めさせた。
「だらしないって言うんじゃ」
「少年にまで言われたのかよ、おい」
「何かな。ここまで言われると」
「あれか?やっぱり夏でも」
「ズボンは穿くことだね」
 坪本と佐々に対して恵美が冷静に告げる。
「最低限ね」
「くそっ、滅茶苦茶劣勢だな」
「何が何なんだよ」
 彼等はこう言うしかなかった。やはりどうにも苦しい。しかしそれは突如として変わったのだった。変えたのは委員長である千佳が来たからだ。
「あっ、そこにいたの」
「おっ、委員長」
「どうしたの?」
「ちょっと皆に伝えたいことがあるの」
 こう皆に述べてきたのだった。
「それで来たのだけれど」
「それでって?」
「ええ、噂だけれどね」
 こう前置きしてからまた言ってきた。
「実はね」
「実は?」
「最近あちこちの学校で変な事件が起こっているらしいのよ」
 目を顰めさせて皆に話してきた。
「どうやらね」
「変な事件って?」
「一体何なの、それって」
「ああ、丁度いいよ」
 ここで加山も教室に来た。彼は明日夢と桐生の姿を認めて言うのだった。
「桐生君と北乃さんに一番関係のあることなんだ」
「僕達に?」
「そう、実はね」
「あちこちの学校で飼っている生き物が殺されてるらしいのよ」
「えっ、そうなの」
「あちこちの学校で」
 今の話を聞いて顔を顰めさせたのは北乃ト桐生だけではなかった。
「出て来ているの、そんなのが」
「嫌な話だね」
「あくまで噂よ」
 千佳は一応はこう
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