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星河の覇皇
第八十部第五章 無政府主義者その十三

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「だからな」
「それではですか」
「その若者がマウリア社会に出たならば」
「その時は大きな存在になる」
「そう言われますか」
「そう思う」
 実際にとだ、クリシュナータは側近達に答えた。
「アウトカーストの中にはそうした者もいる、そして」
「その若者が主席に協力してくれたのですね」
「この度のことで」
「そうだったのですか」
「そのことが大きかった」
 まさにというのだ。
「だからここまで達することが出来た」
「ではその若者の力をですね」
「これからも使う」
「そうされていきますか」
「閣僚の一人に使いたいが」
 クリシュナータは目を鋭くさせた、そのうえでの言葉だった。
「だが」
「危険ですか」
「そうした人物ですか、その若者は」
「そうなのですね」
「そうだ、ただ優秀なだけではない」
 その若者はというのだ。
「野心もある」
「では」
「アウトカーストの指導者では終わらず」
「さらに上を目指す」
「マウリアの主席の座も」
「狙うだろう、若くて優秀で野心もあれば」
 それならばというのだ。
「政治の世界にいるのならばな」
「それならばですね」
「目指す場は一つですね」
「国家主席の座」
「それを目指しますね」
「私はそれを感じた」 
 その若者にというのだ。
「彼は必ずだ」
「表舞台に出れば」
「その時はですか」
「国家主席の座を手に入れる」
「それを目指して動きますか」
「私も後継者をと考えていたが」
 この考えもあるというのだ。
「少し見極めるか」
「その若者を」
「アウトカーストの指導者を」
「そうされますか」
「じっくりとな」
 こう答えたのだった。
「すぐに閣僚にすることはだ」
「避けられ」
「その人物を見て」
「そして、ですね」
「器も見極める」
「そうされるのですね」
「そうしよう、我々もやることが多い」
 マウリアにしてもというのだ。
「それを果たしてだ」
「そのうえで」
「発展していきますか」
「我々もまた」
「そうしよう、しかし連合の発展は邪魔をしても」
 マウリア側がである。
「それでもだ」
「発展は、ですね」
「しますね」
「それもかなりの規模で」
「それは止められませんね」
「お決まりの内部でのいがみ合いがあろうとも」
「あの国はそれでも我々から見れば目覚しい発展をしてきたしだ」
 よく連合の中、特に集権派が言うが内部での衝突が少なければ連合はより発展出来た、そうした話が他の国でも言われていたがだ。
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