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とある星の力を使いし者
第1話
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・」

「そんなわけあるか!!!」

全力で否定しながら上条は麻生を追いかける。
麻生に追いついた上条は二人並んで歩いて帰っている。
二人が歩いている道には風力発電のプロペラが見えたり、二人の間をドラム缶に車輪をつけた警備ロボットが追い越していく。
学園都市。
東京西部を切り拓いて作られたこの都市では「超能力開発」が、学校のカリキュラムに組み込まれており二三〇万の人口の実に八割を占める学生達が日々「頭の開発」に取り組んでいる。
そしてこの学園都市は能力開発以外の科学技術も最先端の技術などが使われており、外と比べると数十年分くらい文明が進んでいると言われている。
上条と麻生も日々「頭の開発」をしているのだがレベルは二人とも0。
所謂、無能力者である。

「あと一か月とちょいで夏休みだな。」

「その夏休みにお前は補習が入ってくるんじゃないのか?」

最初は楽しみな顔をしていた上条だが、麻生に指摘されて目に見えて落ち込む。
上条はそれほど頭はよくない。
赤点や補習など毎回引っかかるくらい成績が悪い。
麻生もそれほど成績は良くはないが補習にかかるほど成績は悪くない(本来、麻生は頭が非常に良いのだが本人はめんどうと言う理由でテストなど適当にしているから)。

すると上条が前を見た時歩くのをやめる。
麻生も一応歩くのを止めて上条が見ている視線を追う。
その先には一人の男の学生に何人かの不良が囲んでいる。
おそらく金でも要求しているのだろう、と麻生は考えるが俺には関係ないことだ、と無視しようとするが・・・・

「麻生、助けに行くぞ。」

この男、上条当麻が真剣な表情で麻生に言う。

「行くならお前一人で行け。」

「あの数相手で俺一人だけじゃあ勝つ事は難しい。
 けどこっちが二人だったらまだ勝てる可能性が残っている。」

「俺はあの男に助けてと頼まれた訳でもない。
 だから、俺が助けに行く理由にもならない。」

「お前は頼まれなかったら助けにいかないのか?」

「そうだ。」

「なら、俺がお前に頼む。
 一緒にあいつを助けてやってくれ。」

その言葉を聞いて麻生は沈黙する。
そして深くため息を吐く。

「相手は5人。
 俺が3人相手するからお前は残りを倒せ。」

その言葉を聞いて一瞬驚いたが、すぐに笑みを浮かべ不良達の所に走っていく。

(あいつに関わっているとどうも調子が狂うな。)

そう思いつつ麻生も不良達の所まで走る。
上条が不良達に何か言うと上条は顔を殴られてそこから喧嘩が始まる。
麻生は上条の後ろから殴ろうとする男の襟元を掴み右足で男の両足を払う。
男は後ろから引っ張られるので後ろに体重がかかり、その運動を利用して背負い投げの如く男を投げ飛ばす
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