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実はリア充
第五章

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「悪いこと言ったことないでしょ」
「ああ、それはな」
 晋太郎もわかっていることだった、そのことは。
「ないな」
「そうでしょ、だったらね」
「是非受けてか」
「そしてね、今日もね」
「車でか」
「行きましょう、文奈さんも通学ついでっていうし」 
 大学まで車通学なのだ、実は実家は富農で金があるのだ。
「だからね」
「乗せてもらうか」
「そうしましょう」 
 こうしてだった、晋太郎は従姉が運転する車に乗せてもらって駅まで行くことになった。妹の通う中学校そして彼がかつて通っていた中学校は家から駅まで行く途中にある。それで従姉も送ると言うのだ。
 すぐに言えのチャイムが鳴った、そうしてだった。
 従姉の文奈が家に入ってきた、黒のロングヘアに切れ長の黒い目で背は一六四ある。
 ズボンとコートといった恰好でスタイルはすらりとしている、その彼女が晋太郎達いこう言ってきた。
「用意はいい?」
「今からですね」
「ええ、学校行くわよ」
 そうすると言うのだった。
「いいわね」
「いつも通りですね」
「そうよ、由依ちゃんのところに行って」
 文奈はまずは彼女に言った、制服の上からでも胸の大きさが目立つ。
「それからね」
「俺ですね」
「駅に行くわ」
 そのうえでとだ、文奈は強い声で話した。
「いいわね」
「わかりました」
「今日も宜しくお願いします」
 兄妹で従姉に答えた、そしてだった。
 二人で彼女が運転する車に乗った、そこでだった。
 運転する途中でだ、文奈は助手席に座らせている晋太郎に言ってきた。
「最近どうなの?」
「学校のことですか」
「ええ、成績は」
「普通です」
「赤点とかないのね」
「別に」
「じゃあお友達や彼女さんとは?」
 文奈は運転を続けつつ彼にさらに尋ねた。
「どうなの?」
「仲良くやってます」
「ならいいわ、学校生活は順調ね」
「順調っていうか普通かな」
「普通なのね」
「そうだね」
「普通ならいいわ」
 文奈はそれならと答えた。
「けれどね、何かあったらね」
「その時は」
「私に言いなさい」
 こう言うのだった。
「何でもね」
「迷惑じゃないかな」
「迷惑じゃないわ、何でも聞くから」
 困ったことがあればというのだ。
「それで出来る限りのことはするから、由依ちゃんにもね」
「有り難うございます」
 後部座席にいる由依は文奈の言葉に微笑んで応えた。
「いつもそう言ってもらって」
「言うだけじゃないわ」
「本当にですか」
「ええ、動くから」
 その時はというのだ。
「いいわね」
「本当にすいません」
「従姉だから当然よ、だから晋太郎君もね」
 また彼に言うのだった。
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