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子供達の裁判
第二章

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「ですから聞いていました」
「それをですか」
「被告人は三時に食べました、それならです」
 まさにというのだ。
「被告人は盗み食いをしたことになります」
「あの」
 今度は証人の絵里が言ってきた。
「昨日私雅夫君の家にいたんですが」
「そうです、昨日僕の妹と遊んでいました」
 その通りだとだ、雅夫も話した。見れば五人共それぞれドラマで観た裁判のそれぞれの場所に何となく立っている。
「それで私のことも見ていました」
「この時被告人は三時半になってです」
 つまり被告人の思い違いだというのだ。
「お母さんに食べなさいと言われてです」
「食べたのですね」
「はい、柿を」
「裁判官、それならです」
 弁護士の美奈代が言ってきた。
「被告人は無罪になりませんか」
「そうですね」
 裁判官役の翔太も否定しなかった。
「ではです、弁護人の意見を」
「はい、被告人は証人の証拠から見てもです」
「無罪ですね」
「検事側の主張には明らかな矛盾があります」
 美奈代はこのことも指摘した。
「ですからこの度はです」
「被告人は無罪ですね」
「そうなります」
 こう言うのだった。
「私は被告人の無罪をあらためて主張します」
「わかりました、では判決を下します」
 ここまで聞いてだ、翔太も頷き木槌を叩く仕草をしてからだった。厳かに被告人無罪を言い渡した。
 この裁判はよかった、だが。
 次の裁判ではだ、五人は今現在巷で噂になっている連続殺人事件についての裁判となった。今度は美奈代が裁判官で絵里が検事、翔太達男の子達は弁護士となったが。
 この事件は現行犯であまりにもマスコミで証拠が言われていてだ。五人共こう話した。
「この事件有罪だよね」
「絶対にそうよね」
「どう見ても」
「人殺してる現場で捕まってるし」
「もうこれ間違いないよ」
 それでというのだ。
「有罪しかないし」
「どう無罪だって言うの?」
「それも人何人も殺してるし」
「これどうしようもないんじゃ」
「死刑しかないわよ」
 こう話してだ、美奈代も死刑と言うしかなかった。他にも色々五人であれこれ自分達でのことや巷でのことを話したが。
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