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災いの巫女
第四章
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「やってかないとな」
「それでは」
「ああ、今度は出入りしている人達をだよ」
 調べようとだ、こう二人で話してだった。
 実際に残は莫と共に道観を出入りする人達も調べだした、するとすぐにだった。
 道観に清めそして調理に使う塩酒を入れて来るゴブリンの商人を見てだ、残は彼に鋭い目になって言った。
「あんた憑かれてるぜ」
「えっ、肩凝りですか?」
「ああ、その肩凝りもな」
 残は商人の冗談の様な言葉にもすぐに返した。
「それが原因だよ」
「最近それが酷くて困ってましたが」
「鬼の仕業だったんだよ」
「まさかと思いましたが」 
 莫も言ってきた。
「いや、まことに」
「これはな」
「それこそですね」
「ああ、本当にな」
 それこそと言うのだった。
「おらっちの読み通りだった」
「そういうことですね」
「闘士の戦いは読みも大事だからな」
 残は自分の職業のことも話した。
「こうしたことはな」
「読んでこそですね」
「そうだよ、それじゃあな」
「今からですね」
「この人に憑いてるの祓おうな」
「それでは」
「そういえば」
 ここでだ、女道士も言ってきた。
「この人の影は」
「ああ、たまに一瞬にな」
「この人のものとは別の気配がします」
 影からそれを感じるというのだ。
「これが、ですね」
「何よりの証拠だな」
「そうですね」
「隠れてないで出て来い」 
 残は商人の影を見据えてその何者かに告げた。
「もうばれてるからな」
「ラキキキキキキキ・・・・・・」
 残の言葉に応えるかの様にだ、商人の影から不気味な声がした。その瞬間にそこからすうっと鹿人で白い道服を着た女が出て来た。
 その女を見てだ、女道士は蒼白になって言った。
「月祐、まさか」
「知ってるんだな」
「はい、かつてこの吉林で左道を使い多くの人を殺めた巫女でした」
「そんな奴がいたんだな」
「何百年前の話でしたが」
「どうせ悪事が祟って豪傑か賢者に倒されたんだな」
「天界から降り立った二郎真君に倒されたと聞いていましたが」
 こう残に話した。
「まさか蘇るとは」
「わらわの魂は不滅じゃ」
 巫女の怨霊は赤く憎悪に燃える目で言った。
「それ故に」
「蘇ってきたのですか」
「墓場に隠れていてこの道観を乗っ取る為にな」
「私に憑いていたのか」
 商人も驚いて言った。
「そしてか」
「道観に出入りしておるからのう」
「どうせこの道観にどんどんモンスターを出してやがてここの人達を全員追い出すかモンスターの餌食にしてだな」
 残は既に身構えている、そのうえでの言葉だ。
「ここを自分のものにして拠点にしてな」
「左様、再びわらわの大好きな血を求めるつもりじゃ」
「よくわかった、どうせ巫女でもモ
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