第五十一話 お餅つきその五
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「そこでもっとってならないと」
「そこでね」
「後輩の子をどうかとか」
「自分から声をかけてね」
「どうかって何を？」
妹達の言ってることが本気でわかりませんでした。
「何をどうするのよ」
「いや、だからね」
「もうそれは」
妹達は今度はかなり引いた感じになりました。
「言うまでもないんじゃ」
「そう思うけれど」
「いや、言うまでもないって」
どうにもと返しました、今回も。
「あんた達最近本当にわからないことばかり言うから」
「そう？はっきり言ってるけど」
「このことは」
「いつもね」
「そうしてるけれど」
「そう？私全然わからないけれど」
二人の言っていることがです。
「もうね」
「それはね、まあね」
「気付いて欲しいってことで」
「お姉ちゃんには」
「折角だから」
「折角って何がよ。とにかく阿波野君はね」
あの子は本当にです。
「只の後輩よ」
「只の、ね」
「そうでしかないのね」
「他の何でもないわよ」
本当にこう思っています。
「何度でも言うわよ」
「そこで違うって言うとね」
「また違うのにね」
「だから何が違うのよ、私と阿波野君は本当に何もないから」
違うところは何もないです、私にとっては。
そんなことをお話しながらです、お餅を丸めたり粉を付けたりしていますと周りの人にこう言われました。
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