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道士達の決闘
第五章

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「お互い痛風とは。歳を取っても」
「痛風は若くてもなりますよ」
 花華はすぐに言った。
「そうですさかい」
「油断大敵ですか」
「そうです、お歳よりも」
「普段からですか」
「気をつけて下さい、けど帰りも」 
 大慶の街に戻るまではというのだ。
「宜しくお願いします」
「それでは」
 道士は今度は明るい笑顔になった、そのうえで。
 花華は蓮美と共に道士を護ってそうして大慶まで戻った、そうして道観まで戻ってから笑顔で別れた。それからだった。
 二人で依頼を無事に終えたことを祝ってだった、脂っこいチャーシューが多く入りスープも脂っこい醤油味の麺と焼き餃子、それに家鴨の卵を使った卵焼きにトマトと青菜の炒めものに焼売を頼みデザートに餡の入った饅頭を頼んだ、酒は白酒である。
 そういったものを飲み食いして楽しんでいるとだった、不意に花華の心の中に誰かからの声が聞こえてきて。
 その手にあるものが宿った、それは何かというと。
「新唐書や」
「書やな」
「その書が私の三つ目の神具や」
 蓮美に心の中で話してくる言葉をそのまま話した。
「私の知力を上げてくれていざって時の知恵や知識もな」
「授けてくれるか」
「そうしたものや」
「これまでの二つの神具もよかったけどな」
「この神具もな」
 まさにというのだ。
「ええわ」
「それは何よりやな」
「それでな」
 餃子、中国では実は主流ではない焼き餃子を食べながらだ。花華は蓮美に話した。
「神託を乗り越えてな」
「それでやな」
「私自身もな」
 実際にと言うのだった。
「全体的に一回り強くなったわ」
「そうなったか」
「そや、それでな」
 さらにと言うのだった。
「これからやけど」
「そやな、麺とか青菜とか食べて」
「餃子もな」
 花華は蓮美に笑って話した、そして酒を飲むとアルコールが一気に身体に滲み込んで心地よくさせてくれた。
「食べて」
「飲んでやな」
「そしてな」
 こう蓮美に言うのだった。
「それからや」
「あらためてやな」
「世界救いに行こうな」
 軽い口調だが目は真剣だった、そしてだった。
 花華は今度は麺を食べた、コシと風味を兼ね備えたそれはスープともよく合っていて実に美味いものだった。
 その麺も食べてだ、花華はまた蓮美に言った。
「飲んで食べてあったまってな」
「それからやな」
「気分よく世界を救いに行くで」
 これが花華の今の言葉だった、そこには彼女の心もはっきりと出ていた。


道士達の決闘   完


                2019・4・25
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