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八条学園騒動記
第五百十話 マルタ騎士団その九

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「だが、だ」
「怒らなかったから」
「カエサルの器はかなりだ」
「そう言っていいわね」
「本当にな」 
 心から言う洪童だった。
「俺はカエサルは嫌いだがな」
「それでもっていうのね」
「カエサルも器は大きかった」
「敵は許したそうだし」
「部下にも寛容だった」
「禿で女ったらしで野心家でもよね」
「有能でな」
 政治家としてはかなりの人物であった、そして軍事的才能もライバルのポンペイウス程ではないが備えていた。
「そういうのを見るとな」
「是非にって思ったのね」
「俺も器が大きくなりたい」
「そうしたらもてるのは二の次」
「カムイと一緒に次第に気付いたんだ」
「それもドラマね」
「ああ、それで理想はな」
 今の洪童のそうした人物はというと。
「好色一代男だ」
「あの主人公ね」
「あんな大物になりたい」
「実際凄い大物よね」
「下手なそうしたゲームの主人公よりもな」
 実際に相手の数が全く違う。
「美少年も数百人だからな」
「そこ信長さんもびっくりね」
 ナンシーはここで日本の英雄の一人の名前を出した。
「それこそ」
「ああ、あの人もな」
「そっちもだったわね」
「子沢山だったけれどな」
 その子は男子が多かった。
「そのうえでな」
「美少年趣味もあったのよね」
「そうだったんだよな」
「それで森蘭丸さんとか」
「ああ、けれどな」
「好色一代男の主人公位はいかないわね」
「男だけでも何百人とかな」
 そこまではというのだ。
「絶対になかったからな」
「天下人でもね」
「そう思うとな」
 それこそというのだ。
「あの作品緒主人公凄いな」
「超絶的ね」
「それでどうせならな」
「あの人みたいになりたいと思ってるのね」
「人間あそこまでいくとな」
 それこそというのだ。
「最高だろ」
「というかよくそんな作品書けたわね」
 ナンシーはここで好色一代男という作品自体について述べた。
「井原西鶴って人は」
「しかも千数百年前にな」
「そんな大昔に書くなんて」
「凄いな」
「ああ、俺が思うにな」
 それことだ、ここでまた言った洪童だった。
「井原西鶴は天才だったんだよ」
「そうね、天才よね」
「それでそんな発想をな」
「大昔に考えついて」
 そしてと言うのだった。
「書いたのね」
「しかも完結させたからな」
「作品って終わらせるのが難しいのよね」
「ああ、はじめるのと終わるのがな」
「一番難しいのよね」
「最初にはじめるのでな」
 その時点でというのだ。
「かなりのエネルギーが必要でな」
 それでというのだ。
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