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魔術師ルー&ヴィー
第二章
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 翌朝、ルーファスらはコアイギスに見送られ、リュヴェシュタンの王城を後にした。
 これは謂わば戦を起こさないための戦なのである。早々にアリアを見つけ出さねば、第二第三の禍が起こる。これは必ず起こるとマルクアーンは星から読み取っているのだ。
 何もないに越した事はないが、最早それは有り得ないと言えた…。
 予定としては、王都リュヴィンよりゾンネンクラールの国境まで馬車で凡そ五日、そこからクラウェンまで同じく馬車で二日…これはかなりの強行軍である。
 通常、馬車でも十日以上掛かる道程ではあるが、ルーファスらは途中の街で馬を交換して出発するを繰り返し、時間を短縮するようにしていた。魔術師は然して眠らずとも動けるよう訓練されているため、ルーファスら三人の魔術師はそれ程苦にはなず、マルクアーンも同様であったが…常人がこれをするのは無理がある。それでも七日は掛かることに、ルーファスは多少苛立ちを覚えていた。
 移転の魔術が使えれば問題はない。しかし、国交の問題も然ることながら、下手に魔術を行使して相手の術中に嵌まるなぞ以ての外と言える。
 それ故に、彼らは地道に時間を短縮する手段を選んだと言えよう。
「今日はここで休むことにしよう。」
 マルクアーンがそう言って馬車を停めさせた街は、ライヒェと言う中程度の古い街であった。
 この街は伝統を重んじ、先の戦でも貴族の助けを待つのではなく、民自らが率先して妖魔と戦い、その進行を食い止めた街としても知られている。
 中でも古くからある聖堂にはこの街出身の神聖術者と神官や司祭らが祈りを捧げ、毎日修行に励んでいる。戦当時も同様であり、彼らの力無くしては妖魔には勝てなかったであろう。
 その成果として、ライヒェには戦以前からの建造物が数多く遺されており、現王も敬意を表して貴族の統治者を置かずに自治を認めている街でもある。
「ウイツ。ヴィルベルトと二人、街で必要なものを買い揃えてきてくれ。わしはルーファスと今後の予定を話し合うのでな。」
 馬車から荷を下ろしていたウイツとヴィルベルトにマルクアーンがそう言うと、ルーファスは二人が下ろした荷を宿へ運び入れようと三人の所へと来た。
 話しは聞こえていたため、ルーファスは二人に必要な物を頼んだが、最後にウイツへと言った。
「そうだ、ウイツ。こいつの外套、良いの見付けてやってくれよ。」
「そうだな…もうボロボロだしなぁ…。」
 見れば、ヴィルベルトの外套はあちこちに穴が空き、自分で繕ったであろう箇所も一つ二つではなかった。
「師匠、まだ大丈夫です。これでもちゃんと内側は…」
「おいおい…お前それでも魔術師か?いいから、ウイツに選んでもらってこい!」
 ルーファスはそう言うや、懐から小さな革袋を取り出してヴィルベルトへと手渡した。
 よく分からないと言
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