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fate/vacant zero
些細ささいな昼下り
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「――重てぇ」


 このぼやきも、これでいったい何回目になるんだろう。いい加減疲れてきた。


 疲れてきた、けど、なんかしら愚痴ぐちってないとさらに気が滅入りそうだ。

 なんで俺は、こんなところで、こんなやたらでかい机を延々と運ばされてるんだろうか。

 もう八往復はした気がする。


 それもこれも、元はといえばルイズの奴が……、はぁ。

 もうたいがいに不毛なんだ。

 原因なんて忘れて、さっさと運んじまおう……。





 本当に、この世はどうしようもなく理不尽だ。

 主に、俺に対して。













Fate/vacant Zero

第三章 前編 些細ささいな昼下り











 俺が大蛇からどうにかこうにか逃げ切ることに成功したのが、だいたい三十分くらい前のこと。

 いや、実際は逃げ切ったというより、逃げてる途中で昨夜ゆうべの子に助けてもらったんだが。

 つむじ風で大蛇を外へ放り出して――、あとでなんかしらお礼でも考えとこう。

 で、それはおいといてだ。


 青息吐息でしばらくへばっていると、なぜかルイズに拉致られた。

 どうやらルイズが、目を覚ましたおばさん……もといシュヴルーズ先生から、ボロボロになった教室を掃除しておくよう言われたらしい。

 なお、シュヴルーズ先生はこの日一日は『錬金アルケミー』について触れることは無かったという。トラウマになったそうな。

 首根っこを引っつかまれて、予備の机の置いてある倉庫に連れて行かれて、『それじゃあ、あんたこれをさっきの教室まで運んで』と言われました。

 反論しようとしたけど、なんでも魔法を使うなとのお達しが出されているらしくて。

 いや、お前にはそれ関係ないだろ? と突っ込みたくなった。


 とはいえ、確かにルイズの細腕ではどの道無理そうな大きさと重さだったわけで。









 結論として、俺に仕事が回ってくるわけだ。

 うん、それはいいんだよ。それはいいんだけどさ。


「ルイズ。いつまでその机やってんだよ?」


 ぶすっとした顔で、煤けた机を満遍なく拭いていたルイズに話しかける。

 こいつ、なんでこう仕事が遅いんだろうな。

 もう俺、担当させられてた分終わっちまうぞ?

 っていうか、机運びはとっくに終わってるぞ?

 お前、俺が一つ目の机運びしてたころからほとんど動いてない自覚はあるのか?


 なお、ルイズが実際にぶすっとしているかどうかは定かでない。

 なぜって今、俺は巨大ガラスを
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