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ある晴れた日に
16部分:序曲その十六

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序曲その十六

「殆ど特撮映画で怪人だのロボットだのに真っ先にやられるチンピラじゃねえかよ」
「幾ら何でもそこまで言われたのははじめてだぞ、おい」
 これには野本も少し絶句していた。
「せめてヒーローにのされる三下位にしとけよな」
「それもあまりよくないんじゃないの?」 
 竹山が親戚のその言葉に首を捻っていた。
「それはさ」
「それでもオルフェノクだのグロンギだのアンノウンだのにやられるよりましだろ」
「そうかな」
「そうだよ。全くよ」
「でよ、三下」
「それ仇名にするなよ」
 少し真顔で春華に言い返す。
「せめて普通の仇名にしろよ」
「わかったよ。ところでよ」
 ここで春華は話題を変えてきた。
「今日は何処で遊ぶんだよ」
「何処って?」
「今日は甲子園で試合もないしな」
 野球の話も出る。
「スタープラチナにまた行くか?」
「別にいいけれど」
 明日夢が答えてきた。
「お客さんなら大歓迎よ」
「あそこプリクラもあるしね」
 凛が楽しそうに言う。
「また撮る?」
「それもいいけれど」
 それに応えて奈々瀬が言ってきた。
「今日は食べたいわ」
「食べるの?」
「それもたっぷり。そういう気分なんだけれど」
「今お昼食べたばかりじゃない」
 茜が呆れた顔でその奈々瀬に声をかける。
「それでまたなの」
「育ち盛りだから」
 奈々瀬は少しバツの悪い顔で茜に答える。
「だからだけれど」
「じゃあ俺の所に来いよ」
 ここで佐々が名乗り出てきた。
「俺の家によ。どうだよ」
「ああ、そういえばあんたの家はあれだったね」
 恵美がその彼に言う。
「飯屋だったっけ」
「おうよ、猛虎堂」 
 誇らしげに店の名前を告げるのだった。
「美味いぜ。量もあるし安いぜ」
「夜やってるの?」
「毎日昼の十時から夜の十一時までやってるぜ」
 こう答える。
「酒でも何でもあるぜ」
「そうなんだ」
 それを聞いて静華は考える目になった。その目でまた言う。
「いいかもね、それって」
「来るか?」
「どうする?皆」
 静華はここで皆を見回したうえで尋ねた。
「その格好いい名前のお店にする」
「私今日は非番だし」
 明日夢が言ってきた。
「空けようと思えば空けられるけれど」
「私もね」
 恵美も出て来た。
「お父さんがいてくれるから。お店は」
「お店組はいいのか」
「ええ」
「そっちはね」
 二人は佐々に対して答えた。

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