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麗しのヴァンパイア
第百二十七話

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                第百二十七話  懐かしい作品 
 カーミラもまたこの日は本を読んでいた、彼女の周りにいる使い魔達がそれを見て主に対して尋ねた。
「何の本を読んでおられますか?」
「日本語の本ですか?」
「英語の本よ」
 カーミラは使い魔達に微笑んで答えた。
「今読んでいるのはね」
「英語ですか」
「そちらの言葉でしたから」
「アーサー王ロマンスよ」
 今読んでいる本はそれだというのだ。
「現代語訳だけれどね」
「現代の英語ですね」
「そちらですか」
「古代の英語ではないですか」
「かつての英語とはかなり違うけれど」
 この辺りは日本語と同じだ、時代によって言葉が変わるのはどの言語でもあることなのだ。日本語や英語だけではない。
「それでもね」
「英語だからですか」
「それで読まれていますか」
「日本では日本語訳で売られているけれど」
 日本であるから当然のことだ。
「けれどね」
「それでもですね」
「やはりアーサー王は英語ですね」
「それが現代語訳でも」
「原語に限りますね」
「そう思うから」
 だからこそとだ、カーミラは読みつつ言うのだった。
「だから今こうして読んでいるのよ」
「左様ですか」
「そうでしたか」
「やはり面白いわね」
 アーサー王ロマンスの感想も述べた。
「すらすら読めるわ」
「左様ですか、ではですね」
「本日はその書を読まれてですね」
「そうして時を過ごされますか」
「そうするわ、そして夜はね」
 吸血鬼の本来の時になればというと。
「外に出て」
「そして、ですね」
「そのうえで今宵も楽しまれますね」
「そうされますね」
「そのつもりよ、ただ最近血を飲んでいないわね」
 カーミラはここでこのことに気付いた。
「どういったものかしら」
「そういえばそうですね」
「飲まれていませんね」
 使い魔達もそのことに気付いた、カーミラは本を読みつつそのうえで夜のことも考えるのだった。彼女の時間のことを。


第百二十七話   完


                   2019・1・29
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