暁 〜小説投稿サイト〜
オズのファイター大尉
第六幕その五

[8]前話 [2]次話
「牛がいるのがね」
「普通だね」
「僕も最初あの牧場を見ておやって思ったよ」
 トトにしてもです。
「バイソンが牧場にいるんだって」
「君はそう思ったんだね」
「うん、そしてオズの国らしいってね」
「そうも思ったんだね」
「だってね、オズの国だから」
 それでというのです。
「不思議なことが一杯ある国だから」
「バイソンの牧場があってもかな」
「そう、不思議じゃないってね」
 その様にというのです。
「思えるよ」
「君もオズの国の住人になっているからね」
「そうしたこともね」
「普通にあるってだね」
「思える様になったから」
 だからだというのです。
「実際にね」
「そう考えたんだね」
「見てすぐにね」
「成程ね」
「あと僕は外の世界で見るものは白黒だけれど」
 つまり色がわからないというのです。
「オズの国ではどの色もわかるよ」
「あっ、犬は実は色がわからないんだよね」
 このことに神宝も言いました。
「そうだよね」
「そうみたいだね、エリカもそう言ってたよ」
「猫も色がわからないんだよね」
「外の世界だとね、けれどね」
「オズの国に入ったら」
「僕もエリカもね」
「色がわかる様になるんだね」 
 神宝はトトのその言葉に頷きました。
「オズの国だと」
「最初ドロシーと一緒に来た時あれって思ったんだ」
 色がわかる様になったことについてもです。
「何これってね」
「驚いたんだ」
「そうだよ、色なんて何が何かね」
「わからなかったんだ」
「だって生まれてずっと白黒しかなかったんだよ」
 その目に映るものはです。
「それで急に青とか赤とか緑とか見えたんだから」
「驚いたんだ」
「その時はドロシーに何も言わなかったけれどね」
「私もずっと知らなかったの」
 ドロシーもというのです。
「トトが色がわからなかったって」
「そうだよね、外の世界では」
「それがオズの国だと」
「人間の言葉を喋ることが出来て」
 それにです。
「色もね」
「わかって」
「そのことがどれだけ不思議か」
「トトにとっては」
「本当にね」
 まさにというのです。
「素晴らしいことだよ」
「それもまたオズの国の不思議だね」
 大尉が腕を組んで頷くお顔で言いました。
「動物も喋れて色がわかる」
「そう、だから世界樹に行っても」
「あの中の色がわかるね」
「よくね」
 実際にというのです。
「僕もね」
「そうだよね」
「いや、色なんて」
 またこう言うトトでした。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ