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原作とアニメと実写
第三章

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「あの大手事務所の」
「まあそれはその」
「コネ、ですか?」
「そこは言わない約束で」
 編集者は壮に苦笑いで答えた。
「お願いします」
「そういうことですか」
「はい、あと監督と脚本家ですが」
「どなたになったんですか?」
「井筒直人さんと雁屋芳樹さんです、プロデューサーは辻元瑞穂さんです」
「あの、辻元瑞穂って」
 壮はその名前を聞いた瞬間にびっくりして言った。
「よくテレビのコメンテーターやってる」
「有名な人ですよね」
「井筒直人さんも。ネットでは」
「ご存知でしたか、あの人も」
「二人共滅茶苦茶評判悪い人ですよ」
 こう編集者に言うのだった。
「政治的発言していますが。何かテロリストやテロ支援国家ばかり擁護して」
「まあ製作する映画の質は別なので」
「そこはちゃんとしていますか」
「安心して下さい」
「だといいですが。脚本家さんも大丈夫ですよね」
 壮は不安を募らせつつ編集者に尋ねた。
「この人も」
「不幸せになろうよ、とか生まれない。とかの人ですよ」
「ドラマの」
「実績がありますから」
「そのドラマどんな評価だったのか気になりますが」 
 それで壮はこの雁屋芳樹が脚本を務めたドラマの評判をネットでチェックしたが作品の評価も視聴率もブルーレイ等の売り上げも散々だった。
 書き込みも最悪と言っていいものだった、壮はそれを見て余計に不安になった。それでいざ上映となってだ。
 彼は上映して三十分程でアシスタント達と席を立った、そうして以後映画のことを言わなかった。
 そしてネットでの評価は。
「俳優の演技がどれも素人レベル」
「大根演技、棒読みにも程がある」
「主役陣全員学芸会以下」
「素人ばかり使うな」
 まずは俳優陣の評価が散々だった。そして脚本や演出もだ。
「原作にない展開ばかり出すな」
「何で主役達がプロ市民みたいなこと言ってるんだ」
「原作でそんな台詞一切ないだろ」
「組織が何でアメリカ軍とか日本政府に変わってるんだ?」
「変な政治主張ばかり入れるな」
「ストーリーがチグハグ、唐突な伏線のない展開ばかりで草生えた」
「終わり方が出鱈目過ぎるだろ」
 そうしたものも酷評だった。
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