第二章
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「ならな」
「はい、それでいいですね」
「うむ、だが占いの結果通り兵法書が出たらな」
「近いうちにですね」
「出るという」
「では待ちます、しかし今から用意をさせてもらいます」
羊の世話をするそれをとだ、妻はこう言った。そのうえで夫に釣りを続けさせた。だが数日経ても彼は魚を釣らなかった。
その状況が数日続き妻は夫に言った。
「若し明日です」
「兵法書が出ないとか」
「その時はいいですね」
「羊の世話をだな」
「お願いしますね」
「わかった、ではな」
呂尚もそれならと妻の言葉に頷いた、そしてだった。
次の日も釣りに出た、そうして夕方まで川に釣り糸を垂らしていたが糸に反応は全くない。それで流石に羊のことを考えだしたが。
不意に糸に反応がきた、これまで長い間釣りをしてきたがはじめてだった。それで一気に糸を引くとだった。
釣れた、出て来たのは大きな魚でだった。呂尚はこの魚こそがと思い持っていた小刀で魚の腹を割くと。
そこから木簡を束ねた書が出て来た、彼はこれを見てまさにと確信した。そうして魚と兵法書を持ってだった。
家に帰って妻に両方を見せた、すると妻も驚いて言った。
「何と、これは」
「驚いたな」
「まさかです」
驚きを隠せない返事だった。
「この様なことが」
「占いの結果通りだったな」
「まさに。ではですか」
「この書を読んでな」
「そしてですね」
「知識を身に着けてな」
兵法書に書かれているそれをというのだ。
「そのうえでだ」
「王を助けられて」
「天下を救う」
「そうされますか。ですが」
「天下はか」
「何かありますか」
「うむ、実はこの前占うとな」
呂尚はここでも妻に話した。
「天下は大いに乱れるとある」
「そうなのですか」
「今の商の国は滅ぶとある」
「まさか」
「いや、そのまさかだ」
まさにとだ、呂尚は妻に答えた。
「わしの占いではな」
「兵法書のことを当てられたそれでは」
「その様に出た、商の王様が邪な妃に惑わされ」
そのうえでというのだ。
「贅沢と暴虐の限りを尽くしてな」
「天下は滅びますか」
「そして次は周が天下を治める」
「そうなるのですか」
「そうじゃ、そうなるからな」
だからだというのだ。
「わしはおそらくな」
「周の今は公様をですか」
「助けることになる」
「何か凄いお話になってきましたね」
「全くだ、ではな」
「はい、これから周に行かれるのですか」
「いやいや、占いの結果ではな」
ここでもこれから述べる呂尚だった。
「ここにいればいいという」
「この街にですか」
「そして釣りを続けよとのことだ」
「また釣りですか」
妻は夫が今日以外魚を釣ったことがないことからあからさまに
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