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ある晴れた日に
113部分:谷に走り山に走りその九
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谷に走り山に走りその九

「そんなよ。とんでもねえ話よ」
「ちょっとね。インターネットで検索してね」
「それでかよ」
「正直なところ僕も気分が悪くなったよ」
「当たり前だろ?」
 坂上の言葉はそれで当然といったものだった。
「聞いてるこっちも怖いっていうの通り越したぜ」
「何でそんなのがいるんだよ」
 春華は何とか気分を取り直して竹山に言うのだった。
「そんな化け物がよ」
「化け物じゃないんだよ。これが」
 そしてその春華にこう返すのである。
「人間がやったんだよね。これって」
「そういう奴もいるってことか?」
「うん」
 今度は正道の言葉に答える竹山だった。
「そういうこと。世の中にはこうした人間もいるんだよ」
「けれどそれって」
 静華がいつものグループと一緒に気分を悪くさせてしまった春華を気遣いながら竹山に尋ねてきた。
「滅多にない話でしょ?やっぱり」
「まあそれはね」
 竹山もそれは否定しなかった。
「世の中そんな人間ばっかりだったら大変だし」
「そうよね。やっぱり」
 彼の今の言葉を聞いてほっとする静華だった。とりあえずは。
「そんな人。普通は」
「いてたまるかよ」
 少し気を取り直した春華が顔を上げて言ってきた。
「そんなキチガイがよ。そうそう」
「大体百人?千人だったかな」
 竹山は首を捻りながら述べてきた。
「そういう人がいるらしいけれどね」
「じゃあ滅多にいねえな」
 坪本はその割合を聞いて結論として述べた。
「そんなもんだよな、やっぱり」
「どんな悪いことをしてもどんな嘘をついても平気な人の割合はね。しかも」
「しかも?」
「世の中法律があるから」
 これも話に出してきた。
「色々と縛りがあるから滅多にはいないよ」
「少なくともこの学校にはいないわよね」
 茜は顔をかなり暗くさせていた。
「そんな人この学校には」
「街にもいないでしょ」
 凛の今の言葉は半分以上自分を安心させる為の言葉だった。だがその言葉は周りも安心させるものがあった。それが根拠のないものだとしても。
「そこまでおかしいのは」
「そんな奴普通はいねえってこいつも言ってるじゃねえか」
 佐々が親指で竹山を指差しながら話している。
「千人に一人だぜ?そんなの」
「それもここまでの人格障害者はね」
 ここで竹山はまた言う。
「まずいないから」
「だから記録に残るのね」
 千佳もかなり気分が悪そうだったがそれでも何とか言った。
「そういう人だから」
「そういうことだね。けれど今日の怖い話は」
 加山の目は自然と竹山を見ていた。
「君が一番だね」
「そうなんだ」
「けれど」
「けれど?」
 加山はさらに言ってきた。竹山もそれを聞く。
「こういう話は。も
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