暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
艦娘とスイーツと提督と・40
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…ゴメンね?」

 金剛は申し訳なさそうな顔をして、俺にヘッドホンを装着し、その上から袋を被せて視界を奪った。取り敢えず、大人しくしてればこれ以上事態は悪化しないみてぇだし、暴れないでおくか。




 今俺が置かれている状況を説明しよう。ロープでぐるぐる巻きにされ、手錠を掛けられ、頭にはヘッドホンと麻袋を被せられた状態で手を引かれて歩かされ、何処かの椅子に座らされた。その最中、ずっと背中にデカいクッションが押し付けられてたんだが……ありゃなんだ?まぁそれはいい。座ったままで目隠しも外されないまま、ヘッドホンからは那珂の奴が自費で出してる曲のニューシングルが延々とリピートされている。洗脳かな?いや、マジでクーデターとかなら洒落にならないんだが。と、延々と流されていた那珂の歌が止まり、ヘッドホンから声が流れ始めた。

『ヘイdarling、元気ー?』

「よく言うぜ、拉致った犯人がぬけぬけと……」

 どうやら、金剛の奴がマイクとヘッドホンを繋いだらしい。

『あはは、あのくらいしないとdarlingの抵抗は止められないと思ったネー……やり過ぎ?』

「……いや、速攻で抑え込まれなければ何人かは返り討ちにしてたと思うぞ?」

 縛られたのは上半身だけだったから、蹴りは撃てたしな。幾らでもやりようはある。

『あ〜……まぁ、こっちの準備も出来たし、そろそろネタバラシの時間デース!』

 金剛のかけ声と共に、麻袋がガバッと外される。外に連れ出されていたらしく、目に差し込む陽の光が眩しい。そして目の前には……

「ふふーん!私のリクエストの『英国式ティータイムセット』だヨ〜!」

 どや顔の金剛が説明する通り、大きめの円卓にティーポットやカップ、茶菓子等が所狭しと置かれている。

「おぉ……ってお前らが用意したのか」

「That's right!シークレット&サプライズネー!ビックリした?」

「ビックリどころか死を覚悟したわ」

 流石の俺も艦娘全員が敵に回ったら勝ち目がない。個々には潰せても、やがては物量差でじり貧だろう。

「Oh……サプライズが過ぎたネ」

「当たり前だ、阿呆が」

「ううぅ……だって、今日はdarlingのバースデーだから」

「あん?……そうか、今日は俺の誕生日か」

 言われて思い出した。今日は9月29日ーー俺の誕生日じゃねぇか。忙しすぎてテメェの誕生日忘れるとか、マジか。全く、いつの間にやら俺もヤキが回ったもんだ。

「はぁ……安心したら喉乾いたな。金剛、紅茶くれ」

「あれ、コーヒーじゃなくていいの?」

「お前のリクエストは『英国式ティータイム』だろ?今日くらいは嫁さんの趣味に付き合ってやるさ」

「OK!じゃあ急いで淹れて
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