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オズのファイター大尉
第五幕その四
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 大尉はその青年のフェシングを見て言いました。
「筋はいいけれどね」
「至らないところがありますか」
「うん、もっと振りを意識してね」
 そうしてというのです。
「大きく、はっきりとした感じでね」
「振るといいですか」
「君はちょっと速く動かそうって意識しているけれど」
 それでもというのです。
「そこをね」
「あえてですか」
「速くじゃなくてね」
「はっきりとしたですか」
「動きにしていけばいいから」
「そうするとどうなるんですか?」
「かえってその方が動きが速くなるから」 
 そうなるからだというのです。
「だからね」
「もっとですか」
「動きをはっきりと」
 そうして振るべきだというのだ。
「いいね」
「はい、じゃあ」 
 実際にフェシングを振ってみますと。
 誰が見ても見違えました、それでドロシ―も言いました。
「大尉の言う通りね」
「フェシングはね」
「大尉の独壇場ね」
「自信があるからね」
「大尉はオズの国でも随一のフェシングの使い手だから」
「特にサーベルはね」
 今も手に持っているそれはというのです。
「得意だからね」
「それでよね」
「うん、フェシングについてなら」
「はっきりと言えるのね」
「彼の動きはね」
「剣を速く出そうと思って」
「それがかえって振りを損ねていたから」
 だからだというのです。
「そこを変えるべきと思って」
「アドバイスをしたら」
「実際によくなってね」
 それでというのです。
「僕もよかったって思ってるよ」
「そういうことなのね」
「じゃあね」
 それならと言う大尉でした。
「彼に教授も終わったし」
「また冒険の再開ね」
「そうしようね」
「有り難うございます」
 青年はフェシングを教えてくれた大尉に笑顔でお礼を言いました。
「本当に」
「いやいや、お互いに教え合ってこそだよ」
「フェシングだからですか」
「機会が違えば僕も君から教えてもらうことになるし」
 それでというのです。
「お礼はいいよ」
「そうですか」
「そう、じゃあまたね」
「はい、またお会いしましょう」
 こうお話してでした、そのうえで。
 一行はまた冒険に戻りましたが神宝はこの日続けて起こったことについてこんなことを言うのでした。
「何か色々とね」
「起こったね」
「色々な人が困っていて」
「けれど全部ジャック達が解決してくれて」
「よかったわね」
 こうお話するのでした、五人で。
「どれもどうなるかって思ってたけれど」
「それがジャック達が無事解決してくれて」
「ことなきを得て」
「かえってよくなったりして」
「本当によかったよ」
「こうしたことがよくあるでしょ」
 ドロシーはお話をする五人に笑顔
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