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英雄伝説〜灰の軌跡〜 閃V篇
第87話
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〜東フォートガード街道〜

「…………故郷を失った猟兵の最後の意地なんでしょうね。本当に馬鹿な連中なんだから。」
リィン達と共に現場へと急行しているサラは寂し気な様子で北の猟兵達の犯行理由を答えた。
「でも、これでわかったよ。帝国政府がニーズヘッグを雇って半月も北の猟兵と戦わせた意味…………どっちに転んだとしても政府に有利に働くからだろうね。」

「ああ、阻止できれば政府の手柄で、防がなければ統合地方軍の失態。最悪の場合、新海都は破壊され、貴族勢力は最大の拠点を失うわけか。クロスベル帝国軍の列車砲による砲撃で北の猟兵達ごと列車砲が破壊された場合は…………莫大な謝罪金と引き換えにクロスベルとの戦争を回避するか、もしくはその件を理由にクロスベルが”西ゼムリア同盟”を破棄同然の行為を行ったと、メンフィルを除いた各国と共にクロスベルを非難してクロスベルの国際社会での信用を潰すつもりかもしれないな。」

「そこまで…………そこまでするか。」
ミリアムとリィンの推測を聞いたユーシスは重々しい様子を纏って呟いた。

「まあ、そのあたりは鉄血殿の掌の上ということだろう。だが、それとは別に”結社”も自らの実験を行おうとしている。”黒の工房”だったか…………その意を受ける者たちの狙いも。」

「絡み合う幾重もの意志…………風を見極める必要がありそうだ。」

「ああ…………!」
こうしてリィン達は可能な限りの速さで峡谷へ急ぎ―――多くの者が眠りについたばかりの早朝のラクウェルを通り過ぎ、転移された列車砲が配備されている北の峡谷に辿り着いた。

〜北ラングドック峡谷〜

「あ――」

「…………これは…………」
列車砲が配備されている近辺にリィン達と共に到着したミリアムは高い場所に設置されている列車砲が砲撃を行っている所を見ると呆け、ガイウスは言葉をなくしていた。
「愚かな…………!」

「それ以上はさせない!」

「ええ…………!何としても止めないと!」
リィン達が北の猟兵達の凶行を止める事を決意しているとリィン達の存在に気づいた北の猟兵達や軍用魔獣達がリィン達に向かっていた。
「来たか…………!」

「迎撃、突破するぞ!」

「おおっ!」
リィンの号令に力強く頷いたユーシス達は列車砲へと向かい始めるとすぐに迎撃の態勢を取っている猟兵達と対峙した。
「――――いい加減にしなさい!こんな事をしても何も変わらない!貴族の軍がノーザンブリアを占領したのはそもそも帝国政府の意向だわ!アンタたちもわかってるんでしょう!?」
北の猟兵達と対峙したサラは声を上げて猟兵達に問いかけた。
「――――百も承知だ!」
するとその時猟兵の一人はリィン達にとって予想外の答えを口にした。
「故郷を棄てた
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